先月の23日からレベル1に規制が緩和された浅間山。
それまではレベル2ということで火山口まで2キロ規制で黒斑山までが限界だった。。
レベル1は500m規制で前掛山まで入山が許されるということで、登ってきました百名山。
百名山ブームということで、これまでは黒斑山(2404m)に登れば浅間山(2568m)に登ったことにするというのが暗黙のルール。
今後暫くは前掛山(2524m)が浅間山の代理代行?となる。
それでも、「登山規制レベル1、なんのその!」と、登山禁止の看板とロープを無視して火口に向かう登山客も大勢いる。
実際、代替の前掛け山に登るのも浅間山に登るのも、この場所からだとさほど変わりはない。
どちらに登ろうとも自己責任でと言うのなら、せっかくだから火口を覗こうということなのかもしれない。
ちょうど下りてきた人の話では「火口の中は白煙で何も見えなかった。
臭いで気分が悪くなり怖くなったので退散してきた」とのこと。
我々は大人しく外輪山の尾根筋を前掛山に向かう。
古い火口壁から白煙が噴出しているのがけっこう不気味だが火口壁の上の道は快適。
前掛山の山頂には真新しい「浅間山」の標識。百名山フリークへの心憎い配慮に感謝。
眼前の浅間山は穏やかな白煙を立ち上らせている。
あいにくと雲のため展望は得られない。
わずかに黒斑山から蛇骨岳、仙人岳と続く第一外輪山の峰々が展望できるだけ。
黒斑山はずっと雲に覆われたまま。おそらく黒斑山から浅間山は見えないだろう。
鬼押出方面から雲が這い登ってきている。湯ノ平を覆い尽くしそうな勢いだ。
風が強い。早々に下山を開始する。
下山途中に振り返ると、いつのまにか青空が広がり浅間山の雄大な山容が姿を現していた。
何度も振り返りながら下る。
下るにつれてガンコウランやクロマメノキの黒い実が目に付き始める。
賽の河原付近まで下ると背後に黄葉した唐松林の背後に蛇骨岳、仙人岳の第一外輪山の断崖が聳え並んでいる。
登りの時には意表をつく現れ方をして驚かされた牙山の岩峰がさらに美しさを増していた。
振り返れば槍ヶ鞘の岩峰群。
夕日を浴びて輝きを増した対岸の紅葉を眺めながら、すっかり暗くなった道を急いだ。
浅間山といえば、活火山の殺風景な瓦礫の山をイメージしていただけに、
山麓や火口原に広がる豊かな樹林や日本離れした景観に驚き、かつ堪能した山旅となった。
また、規制緩和直後のためか、他の山に比べて若者が多いのに驚いた。怖いもの見たさか?
山道でみつけたクリタケ、キヌメリガサ、ハナイグチ等のキノコも嬉しかった。