書店の文庫本コーナーという限られた空間の中とは言え釣り関連の本を探すのはけっこう難儀な作業でもあるが、
楽しみな事でもある。書籍のデータベースにアクセスすればいとも簡単な事なんだろうけど、
自分の足と目とカンで本を探すというのもケッコウ面白い。
探索方法としては
1、タイトルで探す
2、表紙デザインで探す
3、著者名で探す
4、
片っ端からペラペラめくって探す
という、きわめて原始的な方法をもっぱら採用している。間違っても、
書籍広告を見たり、解説目録を見たりなどという、不粋なことは決してしてはいけない!探索推理の興味は半減するし、
何よりも発見した時の喜びが異なる。この本もそんな一冊。
「鯉四郎事件帖」 太田 蘭三
祥伝社ノンポシェット 480円
浪人釣り師船田鯉四郎が行く先々で遭遇する事件と釣りとをからめて物語が展開する。
「大鯉と仇討ち」「フナと水茶屋の女」「ヤマメのような娘」「イワナと女と死と」など短篇七話、
肩の凝らない読み物。江戸時代の釣り関係文書や、
当時の関東近辺の釣り場なども紹介されていてけっこう興味深いものがある。
著者の太田蘭三には他にも釣りを絡めた推理小説やエッセイなどの文庫がある。
ネタ切れの時にでも暫時紹介していくことにしましょう。
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