燕岳か蝶ヶ岳に登るつもりで前夜のうちに安曇野の長峰山に到着。残念ながら北アルプスは雲の中。
天気予報では明日は晴れるとはいうけど不安、山頂の草原に咲き残るユウスゲやマツムシソウに慰められる。
翌朝は雲ひとつない快晴の空に居並ぶ北アルプスの山々。
眼下に広がる安曇野は眠りから覚めようとしている。
常念岳が大きい。蝶ヶ岳から常念岳を歩いたことをつい昨日のことのように思いだす。
蝶ヶ岳から常念岳への稜線から眺めた穂高岳の圧倒的な偉容、珠玉のような高山植物の数々、
そして槍ヶ岳をバックにカメラに収まってくれたライチョウの親子。
で、日本三大急登とされる燕岳は次の機会にということで、三股から蝶ヶ岳を目指すことに。
しかし、三股の駐車場は既に満杯、はみ出した夥しい車が路肩に駐車している。
登山ブームを実感。
山小屋のこととて予約なしに泊まれるとはいえ、
布団一枚に3人以上は必至と想像しただけで嫌気がさして撤退を決める。
烏川の谷から安曇野に戻ると稲田の向こうに美ヶ原が見える。迷わずに美ヶ原を目指す。
美ヶ原では展望抜群の王ヶ鼻に直行。
シルバーウイークとあって、家族連れ若者のカップルで賑わいを見せていた。
そういえば、カミさんと初めて登ったのも家族で来たのも美ヶ原だったことを思い出した。
もうウン十年前のことになる。
眼下に広がる松本の市街地は訪れる度に広がり山裾まで到達しそうな雰囲気だ。
生まれ故郷の松本の発展ぶりを喜ぶべきか悲しむべきか・・・・
松本平の向こうに北アルプスの峰々がスカイラインを描いている。
北アルプスの反対側に目を転じると富士山と八ヶ岳の山々。
「私は登ったのよね」とカミさんが一言。
「俺は穂高岳に登ったもんね」といつも通りに応酬。
他の百名山には一緒に登ったっけ。
美ヶ原には何度も訪れたけれど、「山頂」に立った記憶が無い。
この際、はっきりと山頂を踏んで「日本百名山」登頂の記録を明確にしておかねばならない。
ということで、テレビ塔やホテルの建物の蔭にひっそり且つ堂々と立つ石碑を確認してきた。
「百名山」のうち一山達成証明?
頬を打つ風の寒さに待ち切れず、下山途中の武石峰付近から夕日が沈むのを眺めた。
できることなら山頂のホテルに泊まって朝焼けを眺めたいものだが、半年前から予約でいっぱいとのこと。