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小平漁協のフォト日誌

火打山(天狗の庭〜黒沢湿原)

2008年7月19日

ブナ林

今年こそは火打山のハクサンコザクラを愛で、あわよくば妙高山にも登らんものと、 天気予報と睨めっこしている間にいつしか三連休が目前に。ピンスポット予報で火打・妙高付近が「晴れ」と出て、 山行を決意したときには、完全予約制の高谷池ヒュッテは既に満員だった。 せっかくの三連休、不便さは我慢することにして黒沢ヒュッテに予約を入れた。







黒沢

笹ヶ峰の登山口にある木造の立派な門から入山。
ブナやミズナラの樹林帯の中に設置された木道を緩やかに登る。広葉樹の緑が嬉しい。 所々にギンリョウソウが白く輝いている。 黒沢の出合いまでは木道の上を快適に歩き、黒沢の冷水で汗を拭ってひと息入れる








北アルプス

黒沢からはやや急な登りになり、これまでの不摂生を後悔しながら喘ぎあえぎ足を運ぶ。
樹林の切れ間から北アルプスが眺められる地点もあって、カメラを構えて暫し停滞。 やっとこさ躍り出た尾根筋に「十二曲り」の標柱が建てられていた。ここが件の「十二曲り」の始点なのか、 はたまた終点なのか、疑心暗鬼でドッと疲れがのしかかる。







火打山

そのまま尾根筋の道を進むと分岐点の富士見平に着く。 右は黒沢・妙高山方面、左は高谷池・火打山方面。 時刻は未だ10時、ここは迷わず左へ進む。
かなりバテバテだが、まだ火打山〜妙高山の二つのピーク連登を諦めた訳ではない。
山道沿いにネマガリタケの藪が増えて視界が開けてくる。左手に雲に隠れがちな焼山、 影火打そして火打山が連なっている。






高谷池

高谷池ヒュッテに着いたのは11時30分、 まだ日は高かった。 高谷池は大勢の登山者で賑わっていた。ヒュッテはもちろんキャンプ場も満員大盛況のようだ。











サンカヨウ

暫し休憩の後、天狗の庭に向かう。 木道沿いの湿原にはイワイチョウやハクサンコザクラが群生し、潅木の下にはキヌガサソウが清楚にして毅然と咲いていた。




サンカヨウ





キヌガサソウ キヌガサソウ








キヌガサソウ





火打山

高谷池を見下ろす丘を越えると天狗の庭だ。木道がハクサンコザクラの群落を切り裂くようにして火打山の登り口まで続いている。
木道に座り込んで夢中になってカメラのシャッターを切る。 その間にも火打に向かう人、降りてくる人がひっきりなしに行きかう。









ハクサンコザクラ

目の前に横たわる火打山頂往復で3時間、今日は黒沢ヒュッテ泊まりなので我々の足だとここから一時間以上はかかる。 あと都合4時間以上は歩かなければならない。
ということで、火打のピークハントは諦めて黒沢ヒュッテへと向かうことにした。








雪田

高谷池ヒュッテに荷物をデポして身軽になって火打を目指す登山客達と木道ですれ違う度に、 もう少し早く予約を入れるべきだったと後悔しきり。何故、山小屋なのに「完全予約制」なのかと、自分の非をよそにブツブツ・・・









黒沢ヒュッテ

高谷池から黒沢に向かう山道はさすがにこの時間帯に通る登山者は少なく、高谷池・天狗の庭界隈とは打って変わった静けさだ。 ウグイスの鳴き声ばかりが喧しい。
路傍に咲くゴゼンタチバナやツマトリソウに幾度となくカメラを向ける。白い花を撮るのは難しい。








黒沢ヒュッテ

黒沢ヒュッテ到着は午後2時半。ヒュッテ前のベンチは妙高山から降りてきた客で既に満杯。 本日は混雑しそうだ。すぐにチェックインして3階に寝床を確保。心なしか床が傾斜している。
かって経験したことがないほどマズイ夕食を食べてから早めに床につく。 しかし隣の客の鼾が煩くてなかなか寝付けない。








黒沢湿原

7月20日

「朝食ですよ〜!」と起こされたのが3時半。味も香りもないコーヒーとクレープの朝食。 まあ、山小屋のことだから贅沢は言わないが、これまでの中では最低の部類かも。 「二度と来ない」などと隣のテーブルから不平が聞こえる。
空模の怪しさに妙高山に登ることも、戻って火打山に再挑戦することも断念した。





ワタスゲ

多少とも雨の気配はあるものの朝の黒沢湿原は爽やか。宿泊客は妙高山か火打山に向かったのだろう、 草原の中に付けられた木道を歩いているのは我々二人だけ。
イワイチョウの葉が緑に輝き、ワタスゲの穂が風に揺れていた。









ショウキラン

富士見平の分岐点でもと来た道と合流。登りでは見かけなかった初めて見る植物を発見。 通りかかった年輩客が「ショウキラン」だと教えてくれた。山には博識な人が多い。



下山後、若い頃からお世話になっている妙高高原のホテルに投宿、温泉で疲れを癒した。


2008.7.19〜20

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