昨年で群馬県内の古城はほぼ一巡したので、長野や埼玉、栃木にまで遠征する機会が増えた。
年代的にも謙信や信玄が活躍した時代から遡ることになった。
謙信に関東管領職を譲った上杉憲政の居城だった上州・平井城、
後年鎌倉公方として復権した足利成氏が幼少の砌に匿われていた信州・大井城をはじめ
「永享の乱」や「享徳の乱」などの時代に通じる魅惑的なタイムトンネルの扉が随所に設けられている。
今年の興味がどこに流れるかは予断できないが、とりあえず新年早々の城跡巡りは
古河公方館跡から始めることにした。
自らが引金を引いた享徳の乱で鎌倉を追われた足利成氏が本拠地とした古河公方館。
御所沼に突き出した半島の片隅に生垣に囲まれてひっそりと石柱が建っている。
関東争乱の台風の眼となり戦国時代の幕開けをした公方の館跡にしては
そっけない扱われ方だと意外に思った。