鮎解禁日の23日、秩父の荒川に行って来ました。最近では女性鮎師は珍しくありませんが、
一向に竿が曲がらない男どもを尻目にひとりビシバシと釣り上げている女性がいました。
旦那の渓流用のウエーダーを借用したのか、
その出で立ちが何とも妙に決まっています。
川に立ち込むこともなく、同じポイントでしかも囮の交換もほとんどせずにコンスタントに釣り上げています。
「 釣りで、何が楽しいかと申しますと、
他人が釣れないのに、その横で、自分
だけひょいひょいと大物をたて続けに釣ることでございます。これは限りなく
セコい話かもしれませんが、他の釣り人がどうがんばっても釣れない場所で、
自分だけが大釣りをしてしまうというのは、
人生で最大のヨロコビのうちのひ
とつに入るのではないでしょうか。
しかもその魚が、二二〜二四センチの鮎ばかりであるということになります
と、ヨロコビのあまり、がくがくと震えまできてしまうのでございます。 」
こんな軽快な書き出しで始まるエッセイ集が文庫本でタイミング良く?新発売。
「本日釣り日和」
夢枕 獏
中公文庫 590円 2001.6.25
まさにドンピシャッのタイミング。但し楽しく大釣りしたのは女鮎師。指を加えて悔
し涙で?眺めていたのが我ら男ども。彼女が竿を納めるのを待ちわびて、空いたスペースを占拠したものの既に時合は過ぎた後。
囮缶から玉網にドボドボと移した鮎はおよそ3〜40尾。片や我々は囮を含めても4〜6尾。
件の女鮎師、年の頃五〇代か、「楽しんでくださいね〜」と、去るときに一言。
蛇足ながら、ちっちぇ〜鮎だったなあ、14〜5センチってとこ。
くそっ(^−^)