安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協の通勤娯楽

< 2001.5.30

 出版界は慢性的不況に悩み、一方で何故か元気な古本チェーン、そんな構図が暫く続いている。なかなか釣り本の新刊が出てこない!なんて愚痴りながらも、掘り出し物の 名著が100円200円と、信じられない価格で無造作に並ぶ***オフ。書物への冒 涜だ〜っ!と言いつつも、釣り本探しで実はけっこう恩恵にあずかっています。


 そんなこんなで久々のブック・フィッシング!!

「ジョー アンド ミー 釣りと友情の日々」

ジェームズ・プロセック  青山出版社  1700円 1998.7.5

振り返って見るに、子どもの頃からあれこれと釣りを遊びとしてやってきているけれど、 釣りを大人なり先輩なりにしっかりと教わったという記憶がない。というか、 私にかぎったことでなく日本にはこと野遊びに関する限り大人と子どもの間にそういう関係は成り立ち得なかったのかも知れない。 それで口を糊するならともかく、釣りが道楽として後ろ指さえ指されてきた歴史からは、 そんなことは望むべくもなかったろう。
  筆者である主人公が釣り禁止の場所で森林監視員のジョーに捕まってしまったところから二人の釣りと友情の物語は始まる。 監視員のジョーは川釣りはもちろん湖や海での大物釣りまで、ブラックバス、レインボウ、ブルックトラウト、パーチ、サーモン、 ストライパーナド、釣法もフライ、ルアー、餌釣りなど全くこだわりなく四季の釣りや自然の恵みを仲間と共に楽しむアウトド アライフの達人。少年時代の筆者はそんなジョーやその仲間の大人達との交流を通じて釣りや友情や人生について多くのことを学ぶ。
 大人への憧れに始まり、やがて老いにさしかかる釣友への慈しみなど、 ゆったりとした時間の流れのなかにパステル画のような世界が広がる。 米国コネチカット州イーストンの四季と釣りと友情を描いた爽やかエッセイ。 日本ではこんなことは望むべくもないと思っていたが、インターネットの普及によって、 これまでは考えられもしなかった出会いが生まれ、釣りやアウトドアライフの世界でも様々な友情や人間関係が生まれている。 釣りが道楽としてだけでなく復権?する日も近い。 サブタイトルの英文は「An Education In Fishing and Friendship」