安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協のフォト日誌

乗鞍〜西穂高岳

イワギキョウ

 今年の夏休みはお約束の西穂高岳登山。昨年の夏に新穂高ロープウエイの頂上駅から眺めた西穂高の勇姿が忘れられなくて、準備万端整えての挑戦。
5日に自宅を出発、あわよくば乗鞍岳にも登らんものと車を急がせたものの、畳平に到着したのは既に午後1時。雲行きも怪しくなって登頂は断念してお花畑を散策。ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、イワギキョウ、コバイケイソウ、等々、高山植物の同定を楽しんだ後、平湯温泉で夫婦二人っきりでキャンピング。森の木立の中のキャンプサイトは広く、キャンプ場特有の騒音もなく静かで、露天風呂も近くにあって快適このうえなし。

笠ヶ岳
翌6日、台風の影響で一時運転を見合わせていたロープウエイで一気に西穂高口まで登る。雲行きが怪しくなって登山を断念して下山してきたカップルに出会う。強風にあおられて揺れるロープウエイの中でしっかり手を握り合っていた二人だ。若い男の方はかなりのベテラン風で「テントで泊まる予定だったんです。雨は必ず降ります!」と、力強く断定すると、初心者と思しき彼女を庇うようにして下りていった。山男の予言通り雨は降ってきたものの霧雨程度。西穂山荘に到着して暫くするとガスも晴れて笠が岳や独標が姿を現わしてくれた。 コバイケイソウ

夏山シーズンとて西穂山荘は満員大盛況。部屋は蒸し暑く一つのふとんに二人が定員の雑魚寝状態。しかも寝言、歯ぎしり、いびきやらで大賑わい。それでも山荘の朝は爽やかに明けて、心配された天候も回復傾向。長野県側の上高地はガスで隠れているものの岐阜県側は笠ケ岳がその全容を威風堂々と曝け出してくれている。

奥穂高岳 標高2701mの独標までは約1時間半、ここまでが一応の目標地点になっているようで、ここで引き返す登山者も多い。「初心者はここまで!不安なら勇気をもって戻れ!!」と手書きの看板が標識に取り付けられている。確かに西穂高岳へは痩せた岩稜のアップダウンが続く道だ。しばし休憩の後「さあ行くぞ」と妻の顔を覗き込んだら不安な様子も見せずに「うん」というので、迷わず西穂高への道を選ぶ。左手には深い谷を挟んで笠が岳の威容を眺め、右手にはガスに見え隠れする前穂高岳に簡単しながらの、これぞ山登りの醍醐味。「三点確保、三点確保」と呪文のように繰り返していた妻も漸く慣れてきたのか、いつのまにか他の夫婦連れと言葉を交わしながらの余裕の道行き。
アマゴ 西穂高岳からは、眼前に奥穂高岳、左に涸沢岳、そのさらに左手には槍ヶ岳、右手には前穂高岳の壮大な岩稜が展開している。とりわけ奥穂高岳は学生の頃に登った懐かしい山だ。上高地側の谷から吹き上げる風が雲を運んできて時折白いベールで山塊を覆い隠す。しばし眼前に展開する風と雲のドラマを堪能した後下山を開始する。妻は相変わらず夫婦連れや途中で一緒になった娘とおしゃべりしながらの下山。どうやら身体の疲れと口の疲れは無関係のようだ。
  来年は南アルプスの北岳か甲斐駒ヶ岳。時間的に余裕があったので多少遠回りにはなるが、登山口にあたる広河原をロケハン。こちらも駐車スペースも無いくらい登山客で大賑わい。富士山に次ぐ第二の高峰北岳の人気の凄まじさを実感して帰途につく。
  御勅使川沿いの道を走らせるうちに、あまりにあっけらかん?とした渓相にひかれ、帰りがけの駄賃だとばかりにでちょいと竿を出したら朱点も綺麗な20cmのアマゴ。
  キャンプ、登山、釣りと、十二分に夏休みを堪能しました。

1999.8.8

高山植物アルバム

NEXT >>