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常念坊

常念坊 常念坊

放牧豚の肉を求めに訪れた安曇野市の堀金物産センターの隣の公園で面白いオブジェを発見。身体に車輪と翼を付けて徳利を手にした坊さんが空を飛んでいる。
信州出身の彫刻家・城田孝一郎が伝説の常念坊を現代風?に解釈した彫刻だ。これと比べると雪形の常念坊のほうがリアルに見えてくるから不思議だ。
安曇野のシンボル・常念岳は昔は常念坊とも呼ばれたという。再び登りたい山だ。


2011年7月24日


<碑 文>

常念坊は安曇野地方に伝わる伝説上の人物で、中世の初期にさかのぼる。常念岳が住処だったところからその名が起った。 伝説の始まりは山姥に由来する向きもあるが、いつのころからか「坊」づけて出現し始める。筋は、常念岳から里へ舞い降りて来ては家々を回って酒乞いをしてあるくというものである。困ったことに常念坊の持ち歩く酒壺は酒を幾ら注いでも一杯になることがない代物であったと伝えられる。
別話では、深山の仙薬を村人に与えたとか、日照りの雨乞いを扶けた等々の反面、神隠しの疑いをきせられるといったことなどがある。
村が平和に納まるための浄化作用の一つに超人性、霊性を保持したカリスマが必要であったろうし、利用したことであろう。常念坊は格好の役割を背負ったのである。
瓢箪は神仙の富と福とをさずける。空中を飛舞する羽根と地上を疾走する車、それらを道具立てとした画像によって彫り起こしたのが、この「異聞・常念坊」である。

城田孝一郎

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