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小平漁協のフォト日誌

水没直前のヒット<東京湾第三海堡>

第三海堡

先々週、強引に反転して2号ハリスをブッチ切っていったクロダイの姿と、 その感触が忘れられず、木曜夜の誘惑はキッパリ断わり、金曜夜は言うまでもなく、 山菜苅りツア−のお誘いも丁重に御辞退申しあげ、あちこちに不義理を重ねて渡船上の人となる。 今日は連休疲れか釣り人は少ない、しめしめ。先週大釣りがあったというTの字に2人、 カイダンとワレメにそれぞれ1人づつ、ボート上からのが1人、そして我々2人はフナツキへ、 すんなり磯割が決定。潮は適度に濁りが入り、湾奥から湾口に向けて流れている。
  
  今回はポイント釣法に徹しよう、まずはコマセをよーく練り込んで
   おにぎりにして3〜4個をポイントにドボ〜ン。
  さあて次は仕掛けだ。
  ん?をいをい、そこは私の作ったポイントですよ〜。
   わはは、早速根掛かりですかあ?そこには根があるのっ!先刻承知。
  おやおや声がでないのかしらん、返答がない。わっ!?
   まさかクロダイ?第1投目から?
  やだやだ、その浮木は私が作ってあげたヤツじゃない?
  このタモなんか今回初めて使うんだもんね、
  自分用に買ったんだけどな。
  ホント、タモ使いばっかり上手になっちゃってど〜すんのっ?
  ん?そんなに大きくないなあ、1キロ位、40センチってとこか?
   俺のポイントだったんだけどなあ、ブツブツ。
  やがて潮も緩んできて、時折浮木を沈めるのは大型のウミタナゴばかり。 最初こそ強い引き込みでドキッとさせるが、後はダラシなくあがってくる。 でもキロ1000円也、キープ、キープ。タナゴのアタリも遠のいて、ヘチ釣りに切り換える。 クンクンという小さなアタリに合わせると面白いように掛かってくるのは15〜20センチのカサゴ。 釣友は根気よく浮木釣りを続け、時々根掛かりとファイトしている。
  わはは、また根掛かりですかあ?ん、
  ややや、糸が水面を移動している、またかあ!
  もう、連れてきてあげないからっ!
  今度はデカそうだ。ん?どうしようって?
  後ろへさがるのっ、そのまま後ろへ!
  優秀なタモマンがついているでしょっ!
タモに収まったのは1.5キロ、45センチのクロダイ。

う〜ん、納得できない、潮が再び動き始めるまでコマセを節約しよう。 潮が満ちてきて足元を波が洗い始める。釣友はもう帰り支度を完了、僅かに残された小場所で荷物番をしている。 あと30分もすればここはもう完全に水没してしまうだろう。水没するのが先か?船が来るのが先か、 それとも?潮は根に沿って千葉県側にゆっくり流れている。この流れにコマセを入れ浮木を流せば、 来る、来る、絶対に来る!ズエッタイにくるはずだあっ!!んで、最後の執念で釣り上げたのが、 辛うじて40センチのクロダイ。
目の片隅に走水港から白波をたててやってくる渡船が見えた。

  1991.5.11 中潮 東京湾第三海堡

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