今回の山城散策は大室の霞城址の予定だったが遂に登山口を発見できず、
近くにある大室古墳群を見学。この地域に約500基もあるという古墳群の夥しさにびっくり。
古代、大室牧で馬の生産に携わった朝鮮半島からの渡来人による造築でないかと考えられているとのこと。
古墳巡りでは歩き足りないので近くの金井山城に転進。
初めは村上方に就いていたが早めに武田方に帰属した金井氏の城だ。こちらはすぐに登山口を見つけることができた。
登り口の右側には江戸時代の千曲川改修の折に出来たという河跡湖があってヘラブナの釣り人で賑わっている。
急斜面につけられた山道を10分程も登ると東屋と石仏がある展望台。到達できなかった大室の霞城址方面が見渡せる。
そして枯葉の降り積もる尾根道をさらに5分も歩くと平和観世音菩薩の石像に出くわした。
観音様というよりご近所の小母さんといった風貌だが、その大きさが不気味。
整備されたハイキングコースはここまでだが、城の遺構の痕跡が全く確認できないので
微かな踏み後をたどって尾根道をさらに進む。
ここにも古墳がある。ほぼ完全な形で残された円墳で、
中を覗くと石を丹念に積みあげて石室を構築しているのがわかる。
城址だから城の機能に組み入れて利用したのではと想像するが定かではない。
さらに進んでピークに達したがここまで城の遺構らしきものは何も発見できなかった。
ピークにも何の標識も無い。そういえば入口にも城址を示す標識はなかった。
山歩きを楽しめたことに満足して引き返す。
登山口にある古峰神社で正月の準備をしている地元の人たちに出会った。
真新しい賽銭箱に早速小銭を入れてお参りさせてもらった。火除けにご利益があるとか。
城址のことを尋ねると、ピークを過ぎて登り返した場所にあるとのこと。
そして鳥打峠からの方が近いという。
本郭はピークにあるとの先入観が災いとなったようだ。
そこで未練がましく鳥打峠に向かう。上杉謙信が越えた峠だ。
だが、峠道に差し掛かるとカーブ毎に銃を携えてオレンジ色のジャケットを着用したハンターが
緊張した面持ちで佇んでいる。猟犬が追い上げてくる獲物を待ち構えているようだ。
誤射されてはたまらない。クワバラクワバラ。