釣友が群馬から遠征してきた。人間ドックに入りがてら、いや、釣りがてら人間ドックに入るということで。群馬にだって良い病院はあるだろうに、友の心遣いが嬉しい。
昨年は千曲川で鮎釣りをした。今回は渓流に入ろうということで群馬県境方面を物色し、高山村付近の沢に入る。沢沿いの道を登って行けば万座温泉だ。
入渓地点の落ち込みで無造作に選んだフライを二振り三振り。突然身を躍らせて飛びついてきてフッキング、曲がるロッド、それほど広くもない落ち込みの中を逃れようと泳ぎ回る魚。すぐに上げては面白くない。
この騒ぎ、友は仕掛けの支度で気がついていない。友を呼ぶ。振り向いた顔が嬉しそうだ。信州に転勤以来初めてフライで釣り上げたイワナ26センチ。
でも、後にも先にも本日の釣果はこれだけだった。餌でもアタリさえ無かった釣友は県境を越えて群馬に帰っていった。
その夜、友から「イワナ美味いぞ〜」と電話が入った。かって遊んだ湯尻川でキャンプをしている、満天の星空の下、焚き火で私が釣った岩魚を焼いて食べている,
明日は爆釣だ!と。
「ボーズだった仕返しかァ?」 ああ、羨ましい・・・・・・