長野市の市街地の南東にあって平らな二等辺三角形の広大な斜面を見せている根子岳。冬ともなればその二等辺三角形が冠雪して美しく輝く。
せっかくの三連休、多少天気が怪しくてもなんのその、とりあえずは登山口に急ぐ。
さすがは花の百名山。牧場の駐車場は県外ナンバーの車で埋め尽くされていた。山頂方面は雲に隠れて見えないが、比較的軽装の登山客が次々と登山口に向かっていく。
自宅から1時間足らずだ、雨に降られたら引き返せばよいと、身支度を整えて先客の後を追う。
まずは牧場の牛たちに見送られて牧場の柵沿いの道を歩く。道沿いにはアヤメやウツボソウ、絶滅危惧種とされるグンバイズルが群生し、ハクサンフウロが目を楽しませてくれる。
足元の石のすきまにイブキジャコウソウを発見。後にも先にもこの一株だけだった。
30分も歩くとシラカバの樹林帯。登山口付近ではすでに咲き終えていたカラフトイバラが甘い香りで虫たちを集めている。写真を撮るために虫を追い払うが何匹かは花びらにしがみつき
画面の中に黒い染みを残してしまう。デジカメだ、後で修正しよう、などと考えながら前進。
草むらのなかにベニバナイチヤクソウが増え、テガタチドリやハクサンチドリが目に付くようになると森林限界だ。
クロマメノキやコケモモの小さな花が嬉しい。さて、どちらがクロマメでどちらがコケモモだったか?甚だ心もとない。帰ったら図鑑と首っ引きだ。とりあえずはシャッターを切りまくる。
山頂からは菅平方面が時折雲間に見える程度で四阿山はもちろん全く視界が得られなかった。雨に祟られなかっただけで良しとしよう。
帰りは往路をたどり、登りには見落とした県指定絶滅危惧種のアズマギクを一輪見つけた。
最後に冷たい牧場牛乳で無事の下山を祝す。