このところ週末になると雲行きが怪しい。昨日までクリアに眺められた四阿山も志賀高原方面も雲の中。飯縄山も霧に隠れている。
そこで選んだのが信州百名山の一つの荒倉山。空模様が気になるところだが鬼女紅葉の伝説の史跡見学がてらに出かけることに。
荒倉キャンプ場を過ぎたが登山口が見つからないまま竜虎トンネルまで上り詰めてしまった。車を降りて付近を確認したらどうやら鬼の岩屋はすぐ近くにあるようだ。
まずは鬼の岩屋を見学。平維茂勢に追い詰められた鬼女紅葉が隠れ潜んだ場所とかで、石仏やら祠やら紅葉狩り記念の石柱が建立されている。謡曲で知られるというがその方面に全く疎い私にはこの場所に訪れた記念に石碑まで建てる有り難味がイマイチ理解できなかった。
帰ってからの宿題にすることにしよう。でも、これが「紅葉狩り」の謂れ?
鬼の岩屋からT字路まで戻り安堵の峰への山道を進む。道の真ん中に夥しいどす黒い獣の糞が鎮座している。リュックの鈴を取り付け直す。
平維茂勢が紅葉一党を征伐してやっと安堵した場所だというのが安堵の峰。右に向かえば竜光山、左が霧見岳経由で砂鉢山、正面に戸隠連山が雲を被っている。
とりあえず霧見岳を目指すことにする。安堵の峰からは急登。雨が降ったら降りられそうにもない。何時でも来れる山だ、雲行き次第で引き返せばよい。
剣が峰まで登りつめてホッと一息。ここまで来れば霧見岳へは後1時間ほど。暫くは尾根筋の比較的平坦な道を快適に進んだが、やがて繁茂した笹薮に覆われて道筋が定かでなくなってしまった。
色づいた樹間から眺める霧見岳が恨めしくもあるが、再挑戦を誓って撤退。
せっかくだからと荒倉山の一角をなす竜光山のピークを確認して漸く降り始めた雨の中を帰途に着いた。