滔々と流れる千曲川の流れの中に立ち込んで鮎竿を操る。
群馬から遠征してきた釣友と坂城のおとり小屋で待ち合わせて一年ぶりの釣行。
初めての千曲川での鮎釣り。念願かなっての初釣りだ。ウエーダーを通して押してくる流れの水圧が心地良い。
囮鮎も天然もの25センチ。元気が良い、グングン泳いで上る。
狙いは27センチオーバーの巨鮎。狙いだけは大きい。
追いもアタリもないが豊かな流れの中に立ち尽くし続けられている自分が嬉しい。
時折振り返って見る上流にいる釣友の様子にも変化はない。昨年は彼も長期入院、私も今頃は未だベッドの上だった。
一度だけ逃げ回るような動きとガンッというアタリがあってそれっきり。脳内に溜まった膿が一気に澄んだ。
来シーズンもこの川で共に竿を出すことを約して釣友に別れを告げる。