東京方面から眺めるとその特異な姿でひときわ目立つのが大岳山。その姿からキューピー山と呼ばれているんだそうな。そう思って眺めるとキューピーの寝姿にそっくりで、すぐにそれと分かるし一度覚えたら忘れられない。
三連休の最終日、富士展望の山旅・・・・と言うには天候もイマイチ、例によって出発時間も遅くなって、近場のキューピー山を目指す。大タワからは2回登ったことがあるが御岳山側からは初めて。
ケーブルカーを降り暫く歩くと空中都市と見まごう建物群が見えてくる。御岳山神社の宿坊だ。こけら葺きの混じる宿坊街を抜けて、初詣の余韻が残る御岳山神社を過ぎるとようやく静かな山道。寒々とした杉の人工林の中の道を行く。所々凍結しているがアイゼンを履くほどではない。時々杉林が切れて日溜まりの暖かさが嬉しい。
岩場の急坂を登ると豪華な4〜5階建のホテル風の建物。建築中なのかあるいは休業中なのか全く人気がない。近づいてみたが入り口が何処かさえ不明。営業中の札を掲げた山小屋が行く手を阻んでいるかのよう。まあ、詮索は無用としよう。
小屋近くの展望台からは雲に煙る丹沢と青空に溶け始めている富士山が眺められた。
展望台から大岳神社を経て大岳山頂に向かう。神社の両脇を固める狛犬の姿が珍妙なので良く見ると子豚?いや、イノシシのようだ。もしかしたらオオカミか?いや、あれはやっぱりイノシシの子供、うり坊に違いない。
などと思い巡らすうちに山頂。肝心の富士山は青空の中に白雪部分だけを残してすっかり溶けてしまっている。山頂では10人ほどの先客がいてくつろいでいた。
なかには小鳥に手ずからパンくずを与えている人もいる。手乗り文鳥のように人を恐れない小鳥の仕草を暫し楽しんだ。はて、何という小鳥だろう?(後で調べたら腹の赤いのはヤマガラ、白いのはシジュウカラのようだ)
「野生動物に餌をやるなんていけないよねえ」とはかみさんの弁。頂上付近にばらまかれた米粒が気になった。