富士山展望の山歩き、今年の登り納めは毛無山。
富士を取り巻く山々のなかでは最も高い山だ。朝霧高原の麓登山口からの標高差は約1100m。
絶えず背後に富士山を意識しながらの急坂の上り。
高度を稼ぐにつれて木々の間に透けて見える富士山がグングン高くなる。
三合目、四合目、五合目・・・・・・と表示される案内板がけっこう煩くてかえって疲れを誘う。
雑木林に遮られて全景は見えないものの太陽が高く上がるにつれて富士山は益々輝きを増してくれる。これが富士の西側に位置する山々の魅力だろう。富士の東側の山だとこうはいかない。青空の中に溶けてしまいそうな不安に駆られながらの登りになってしまう。
振り返り振り返りしながらさらに登ると富士展望台。雑木林からわずかばかり突き出した岩場、ここからの眺望はまさに絶景。眼下に広がる富士の裾野、愛鷹山、遠く伊豆半島まで見渡すことができる。
これほどの大展望が得られれば山頂到達はおまけのようなもの・・・・。あまりの急登のためにそんな思いを抱きながら、なんとか登り続けるとやっと分岐点のある県境尾根にたどり着く。
期待の南アルプスの山々は樹林に遮られて全く見えない。暫く進むと南アルプスの展望大との標識があったのでで登ってみる。ここもやはり雑木林から突きだした自然の岩場。八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳から北岳、間の岳、農鳥岳などを一望。後にも先にも西側の展望が得られたのはこの場所だけ。
山頂には二組のパーティがくつろいでいた。毛無山とは山頂に木々が少ないことによる命名らしいが、徐々に樹木が生え茂り展望が狭まり始めているようだ。でもそれも自然の成り行き、展望のために人工の手が加えられていないことを良しとしよう。
山頂を除けばビューポイントは3カ所のみ。不動の滝展望台、富士展望台、南アルプス展望台と、それぞれ名付けられた自然のままの展望台。文字通りの展望台が大いなる眼福を与えてくれた。