今回の”富士山の見える山歩き”は、大月市制定の秀麗富嶽十二景のひとつ笹子雁ヶ腹摺山。
直近の登山口まで車で詰めてのお手軽登山。時には駐車スペースが無くて目的地そのものを変更してしまうこともある。今回もガイドブックにも地図上にも駐車場所が無く、とりあえず行ってみよう、という行き当たりばったり。
登山口は国道20号線の笹子トンネルの手前を左に入った旧道の脇にあった。しかし車を止める場所がない。すぐ近くのコンビニで恐る恐るお願いしたら快諾してもらえたので端の方に駐車させてもらう。
中央高速道からは確かに富士山が見えていた。今回は眺めることができるのだろうか。全く雪のない南斜面の山道を登りながら時々背後の山を仰ぎ見る。富士山はいつその姿を見せてくれるのだろうか。でも心なしか薄雲が白さを増しつつある。
木漏れ陽を浴びながらのけっこうキツくて単調な登り、背後の山々がいっこうに低くならない。一時間ほども登るとようやく右手に山頂が見えてきた。きれいな三角形の山だ。あそこに渡りの雁が腹を擦りつけていくのか、フムフム(^ー^)山頂付近に用途不明の四角い反射板もようなものが建っているのがやや無粋。背後の山もようやく低くなり、雲なのか山腹の雪なのか定かでないが樹間に富士山が一瞬だけ顔を覗かせたような気がした。
鞍部を右に回り込んで落ち葉の降り積もった最後の急坂を休み休み登る。3週間ぶりの山歩き、ストレス満タン太め残りが足に応える。
山頂には先客が6人、雲空に溶け始めている富士山を眺めながら休憩していた。半ばがっかりしながら山頂に立つと北岳、間の岳、農鳥岳の白根三山が甲府盆地のかなたにうっすらと浮かんでいた。眼を凝らせば甲斐駒ヶ岳も鳳凰山も見える。そして右手には八ヶ岳、金峰山も。多少霞んではいるがかって登った山を眺めるのはまた格別の満足感だ。でもいつ再び登れることやら。
下山途中で標識の文字の違いに気がついた。笹子雁ヶ腹摺山の「雁」の文字が異なる標識がいくつかあって、首を傾げながら降りてきた。下に降ると元の「雁」に直っていて、これはもしかしたら確信犯か?間違った文字の標識を上に持っていって、正しい標識は下に立てたのか?なんて勘ぐりながら登山口に戻ってきたら、なんと登山口の標識も「雁」ではなかった。後で調べると「雁」の略字ということで間違いではないのだけれど・・・・漢字をひとつ覚えた。
駐車させてもらったコンビニで肉まんを買って頬張りながら帰途につきました。