アヤメの群生で知られる櫛形山、先々週は雨模様だったので大岳山、先週は大渋滞に嫌気がさして景信山でお茶を濁し、3度目の正直でやっと念願を果たせた。
しかし哀しいかな、ここでも今年の季節の巡りは早く、アヤメの盛期は2週間前だったとかでアヤメ平は閑散としていた。「花の百名山」の著者・田中澄江をして「あ、しまった」百名山に入れるべきだったと言わしめたアヤメ平一面の紫に染めるアヤメの群生は既に無く、わずかに遅咲きの幾株かに名残を偲ぶことができただけ。
櫛形山と裸山の山頂からは僅かに富士山が望めただけで雲と木立に遮られて南アルプスの山々の展望は得られなかった。それでも、原生林の中の快適な山道と高山植物の数々が堪能できた山旅となった。
帰りがけに車で寄った展望台には田中澄江の碑文があった。曰く「櫛形山の花たちは アヤメの紫 キンバイソウの黄 クガイソウのうす紫 ヤナギランの紅と咲いて 色とりどりの 豊かさは 日本の誇り 東洋の誇り」云々と、最大級の賛辞が記されていた。う〜ん、満足!