先週末の福島・沿岸オフでの山女魚爆釣の余韻もさめやらぬまま、GWのお約束ということで行って来ました上州武尊。武尊と書いて「ほたか」と読ませます。かの日本武尊{ヤマトタケルノミコト)が東征の折りに登ったという。でも何故「ほたか」と読ませるのか?
前日はのんびり宝台樹キャンプ場に入って山菜狩りでも楽しんで一泊、翌朝早く武尊神社の登山口から入山という予定。しかし下山してきた登山者に話を聞いてこちらからの入山を断念。まだまだ雪が深く道筋が定かでないとか。今年は暖冬とは言えやせてもかれても上越国境付近の山、ましてや北に面する登山口、ちょいと認識が甘かった。
その日はフライをやってみたいスケベ心も湧いてきて湯桧曽川河畔でキャンプ。かってPC-VANのFNでオフをやった場所。でも雪代が入り込んで川は滔々と流れていて立ち込むスキもなく、岸辺から二振り三振りで納竿。
翌朝は武尊山の周りをグルッと半周して武尊牧場スキー場に大転進。ここでは今まさに入山しようとしている重装備のおばさんトリオに出会う。今日は避難小屋まで登り、明日山頂を目指すとか。話を聞いている間にも牧場から袋をいっぱいにした山菜狩りの客が降りてくる。下の方を眺めれば魅惑的な渓相の西俣沢。う〜ん、でも今回は山歩き。冬の登山コースは川場谷野営場からが一般的と教えてもらい、登山口を求めてまたまた移動。
川場谷野営場の駐車場には登山と思しき車が5〜6台。沖武尊までは到達できなくてもせめて前武尊か剣が峰辺りまで、今回は偵察行と割り切ってスタート。
不動岩分岐までは林の中の緩やかな道をウグイスの声を聞きながら歩く。分岐から漸く急登。左手に天狗の鼻のような岩を眺めながら高度を稼ぐ。あれが不動岩なのだろうか、こちらから見ると天狗の横顔、天狗岳と勝手に名付ける。ブナの樹林帯だが未だ芽吹かず寒々しい。足元にときどきピンクの花、ショウジョウバカマだ。
尾根道に躍り出てがっかり、眼下に広がるのは武尊スキー場の荒涼たる風景。それでも日光白根山や皇海山を展望して気をを取り直す。武尊スキー場からのコースを逢わせる普寛像からは残雪混じりの尾根道。コメツガやシャクナゲの樹林帯を抜けると雪の急斜面。靴を雪に蹴込んでステップを刻みながら一歩一歩進む。凍結はしていないのでアイゼンをつけるほどではないが斜度は相当なもの。
奥白根山や皇海山に加えて尾瀬方面の燧ヶ岳、至仏山も視野に入ってくる。ガスっているのがちょっぴり残念。赤城山も雲に霞んでいる。
前武尊の山頂にはお社風の東屋に守られて山名の由縁である日本武尊の銅像が建てられていた。右手をかざして南方を眺めている。その背後に剣ヶ峰、中ノ岳、沖武尊の峰々がそれに連なっている。眼前にある剣ヶ峰まではせめて登りたいものと思ったが、茅葺き屋根から雪が滑り落ちたようなその異様な姿に怖じ気づいて諦めることにした。
若いスキーヤー達がスキーを担いで登ってきた。剣ヶ峰から滑り降りるのだとか。滑降シーンを見物したいものだが、それまでは待てない。雪の斜面を滑りつ転びつ下山開始。
下山後、武尊温泉・命の隠し湯で一風呂浴び、山菜天麩羅蕎麦を味わって帰途についた。振り返ればいつの間にか晴れた空に武尊の山々が美しいスカイラインを描いていた。
日本百名山、ひとつ登り損ね!?