登山口に着いた頃は周囲の山々は薄い雲に覆われていた。
せっかくの富士展望の山歩きだがこの案配では富士の勇姿を拝めそうもない。でも雲行きに追い立てられないだけのんびりした山歩きが楽しめると、半ば開き直って歩き始める。
前回は男坂を歩いたので、今回は女坂を登る。登山口から暫くは堰堤工事用の車道を歩く。どん詰まりまで約30分、地図には図示されてないが早朝の写真撮影にお手軽に利用できそうな車道。次回はと、密かに考える。
最後の堰堤からようやく山道となって30分も歩くとはや山頂。例によって団体さんで大混雑、ぬかるみを避けてあちこちで弁当を広げている。
突然、女性客の歓声が上がる。雲間から富士が顔を見せたらしい。何度目かの歓声に腰を上げて見に行くと、雲に浮かんだ富士が鎮座していた。
ほとんど諦めていただけに何か儲け物をしたような気分が嬉しい。