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小平漁協のフォト日誌

谷川岳 1963m

谷川岳 谷川岳

 3連休のこととて、どこもかしこも大賑わいは承知の上で行って来ました谷川岳。

 前日は玉原高原でキノコハンティング、その獲物できのこ鍋でキャンプを楽しみ、翌朝に山頂を目指す心づもりでした。しかしキノコは大不作、ムキタケ、ヌメリツバタケが少々採れただけ。きのこ鍋はお預けにしてきのこうどんで我慢のキャンピング。

 翌朝はロープウエイで天神平へ。曇天にもかかわらず登山客が次々とゴンドラから下りてきます。天神平から熊穴沢ノ頭避難小屋までは紅葉が始まった樹林帯の緩やかな道。霧に包まれて展望は得られないものの、色づき始めたブナ林が幻想的な雰囲気を醸し出しています。でも、そんな雰囲気に浸る間もなく、次々と登山客が追いついてきて先をせかされます。

谷川岳
 避難小屋周辺には既に数十人が思い思いに休憩していて腰を下ろす場所もありません。立ったまま暫し息を入れて出発。そこはかとなく尿の匂いが漂う尾根道をさらに進みます。天神尾根ならぬション便尾根と密かに名付けました。

 肩の小屋から山頂のトマの耳(1963m)が霧の中から時々顔、いや耳を出すのが見えます。人の群れが山頂の形に群れてます。文字通り立錐の余地なく直ぐにオキの耳(1977m)に向かいます。トマの耳からオキの耳へは痩せ尾根の道を行きます。右も左も深く谷に落ち込んでいるようですが、霧で何も見えません。越後の山々も上州の山も雲の中。

 山頂付近の岩棚でコーヒーを沸かして一服。霧の尾根筋を行く登山者がシルエットになって続いています。休憩する間も天候はいっこうに回復しそうもなく、周囲に人がさらに増えてきたので下山開始。西黒尾根方面は霧が深そうなのでもと来た道を引き返すことにしました。ロープウエイで登ってロープウエイで帰る、ほんとうに軟弱なお気楽登山ではあります(^−^)

谷川岳  それにしてもこの登山者の数、さすが東京近郊の百名山。つい先日NHKで谷川岳の紅葉が紹介されたばかりというのも一因のようです。ハイヒールとまでは言わないものの意外と軽装で登ってくる人々の多さに驚きます。不慣れな人も多いようでちょっとした難所でたちまち大渋滞。

 登山道は整備されていると言えば整備されていることになるのでしょうが、あまり必要でもなさそうな所に真新しい鎖や立派な木道が設置されています。木道などはどんな意図で設置されたのか知りませんが、足を滑らせることも多く却って危険を感じることが屡々ありました。危険な木道を避けて新しい踏み跡が出来ている箇所もあります。

 これは危ないな!と思っていた矢先、後ろの方で大きな音と叫び声がしたので振り返ると登山客が足を滑らせて梯子状になっている板と板の間に落ちています。仲間に引き上げられましたが足から血が噴き出し大怪我を負った様子。うちのかみさんが「誰か携帯を持ってないかしらね」と言ったら、たまたま通りかかった若いカップルが持っていたので携帯電話で救助を要請してもらいました。

 気にはなったものの仲間もついていることなので下山しました。どこかの山岳会に所属しているベテランらしい登山者のようでしたが、大事に至らねばと話をしつつ、そう言えばあのカップルは登山者ではなく普通の格好をした行楽客だっとことに気がつきました。登山客と行楽客が入り混じった「魔の山」谷川岳の奇妙さを思いました。

 ロープウエイの天神平駅は行楽客でごった返していて30分ほども行列して下の土合口駅に降り立った頃、ちょうど救急車が到着しました。ロープウエイの駅からわずか10分足らず登った場所での事故でした。

天神平 〜 熊穴沢ノ頭避難小屋 〜 肩の小屋 〜 トマの耳  
7:20         8:10          10:00      10:10

〜 オキの耳  〜 トマの耳  〜   天神平
      10:30 11:30   11:40          14:00  

2001.10.7

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