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小平漁協のフォト日誌

奥白根山(2578m)

 せっかくの三連休、きのこ狩りがてら山歩きを楽しみたいものと、勝手知ったる玉原高原を目指す。だが、森の中は未だ下草が茂りきのこの香りもなく、いつもの丸秘ポイントでハナイグチを確保した他はヌメリツバタケとウスヒラタケ少々を見つけただけ。バッタリと出会ったきのこ眼クラブの兄弟子のTさんもきのこの発生が遅れているとボヤキ気味。それでも籠の中にはナラタケがどっさり。この時期にナラタケが採れるのはまだまだ季節が早い証拠。早々ときのこ狩りは諦めて山登りに変更。

弥陀ヶ池  夕刻には菅沼登山口に到着。広い駐車場には登山客のものとおぼしき車が10数台。なかにはキャンピングカーやテントのグループもいたりして、さすが百名山のひとつの奥白根山(日光白根山)。キャンピング用具を引っぱり出して取れたてのキノコの鍋料理に舌鼓を打ってから早々にシェラフにもぐり込む。夜空に星屑が瞬いている。

燧ヶ岳  車の音やらヘッドライトの光芒で夜明け前に眼を覚ます。登山客が続々と到着しているようだ。白々と明けるまで待って車外に出てビックリ仰天。広い駐車場はぎっしりと車で埋まり、林道の中にまで駐車の列がつながっている。既に登山口に向かって出発していくグループもある。コーヒーを沸かして簡単な朝食をとり、せかされるように身支度を整えて出発。

  登山口から暫く平坦な林道を行くと、山の壁に囲まれた平地に突き当たる。紅葉が始まった山肌と雪かと見まがう白い原っぱが対照的で不思議な雰囲気。シシウドの穂か?
 緩やかな水無の沢沿いの道をしばらく行くと急坂。 コメツガやシラビソの樹林帯をキノコ眼になりながら登る。先を急ぐ登山客が次々と追い越していく。だがキノコはここでもまだ早いようで名も知らぬ雑キノコがポツポツあるだけ。弥陀ヶ池まで登るとようやく白根山の山塊全貌が望めた。



 弥陀ヶ池からは急登。登り初めてすぐに「鹿だ!」という声。右手の座禅山の斜面にカモシカが一頭。登山客の喧噪どこ吹く風とのんびりと草をはんで居る。しばしカメラを構えるがなかなか良いポーズをとってはくれない。これでは唯の灰色の岩だ。諦めて登山開始。益々きつい登りに顎が出る。振り返れば燧ヶ岳が二つ耳の特徴ある姿を見せ、平ヶ岳、至仏山、上州武尊山も雲間に浮かんでいる。

 山頂付近の岩場は大渋滞。山頂での記念写真は順番待ちの行列。写真撮影が終わればすぐに交代、いっときも山頂に留まり周囲を眺める余裕もない。爆裂火口跡や溶岩からなる山頂一帯で2〜300人はいるだろうか。百名山ブームを初めて目の当たりにした感あり。それでも中禅寺湖と男体山を眺めながらコーヒーを沸かしてのんびりと至福の一時を過ごす。

 山頂からは五色沼を左手に眺めながら急坂を降り、避難小屋を経て五色沼へ。紅葉が始まった山肌に囲まれた火口湖、その意外な広さに少し驚く。時折昆虫が水面に波紋を作る。思わず水中に魚の姿を探している自分に苦笑する。

 五色沼から五色山鞍部までの登り返しは下りで疲れた足にはきついが、秋色を増した木々の色を賞賛しながら登る。鞍部まで登り詰めて振り返れば五色沼が紅葉に縁取られて美しい姿を見せている。見上げれば白根山の斜面も赤く色づき、立ち枯れのダケカンバの木々と奇妙な調和を見せている。弥陀ヶ池まで降り、さらに菅沼登山口まで一気に降る。
ここ暫く続いた酒惚けの身体には少々きつい山登りではありました。

 
10月8日(日)

  菅沼登山口 〜 弥陀ヶ池 〜 白根山 〜 五色沼 〜 弥陀ヶ池 〜 菅沼登山口
   7:00発   9:00   10:10着 11:00発  12:20  13:00   15:00着

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