NHKの大河ドラマ「天地人」は視聴率も好調なようだ。ブームに便乗して主人公の兼続ゆかりの各地は観光客の誘致に必死。
兼続が後を継いだ直江家の居城があった与板町も例外ではない。
与板城跡に着いた頃には雪がちらつき始め、消雪パイプから水が噴き出していた。
登山口には警備員とボランティアの方が待っていて観光パンフレットを手渡してくれた。
ボランティアの方の丁寧さと城跡の縄張り図が嬉しかった。
御館の乱の際には景虎勢を迎え討った与板城。舞い散る雪に煙る塁壁が堅城ぶりを想像させてくれた。
本丸には会津に移封される折に兼続が植えたといわれる老杉が500年以上の歳月に耐えて屹立していた。
傍らにある古びた狛犬が子アザラシ風で愛嬌があった。
与板城は陽の城、本与板城は陰の城とも呼ばれるそうだ。
なぜ本与板城を捨ててわずか2キロ程しか離れていない場所に築城する必要があったのか疑問ではある。
本与板城は兼続の妻となるお船の前夫・信綱が城主だった城。まさかそれを忌んだ訳でもなかろうが。
麓の本与板の館跡には「お船の方生誕御館跡」という真新しい石碑が建っていた。
「お船人気」を見込んで建立したものだろう。揮毫は「天地人」の原作者・火坂雅志氏によるもの。
そういえば与板城跡の本丸跡の城址の石碑の揮毫は「天と地と」の作者・海音寺潮五郎氏だった。
「お船」の碑もやがて時を経れば、最初からそこにあったような存在感を漂わせ、
与板の観光スポットになっていくのだろう。