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女渕城跡

土橋門

コンクリートの護岸で固められた貯水池に浮かぶ女淵城を訪れた。群馬では珍しい水濠の城だ。 謙信がこの城を落としたのは永禄2年の関東侵攻時。以来、由良氏・北条氏・武田氏方の属城として変遷する。

沼田城を追われた沼田景義が城代を務めていたこともある。 由良氏の後援を受けて沼田城の回復を図るが真田昌幸によって謀殺されてしまう。 池波正太郎の小説「幻の城」に登場する沼田景義の物語は戦国のならいとはいえ哀れだ。 赤城山南麓の小城のひとつひとつに物語がある。



2009年1月11日


前橋市指定史跡・女渕城跡(現地説明看板)

女渕城は戦国時代に赤城山南麓にあった城の一つ、要害に広く水濠を用いた平城である。
女渕城は、いつ、だれが城を築いたか詳しくわかっていないが、戦国時代から歴史上に出てくる。 赤城山南麓地方の他の城とおなじように、越後の上杉氏、甲斐の武田氏、小田原の北条氏などの戦国大名の侵攻を受け、 城主の変遷が多かった。
城跡は東西200メートル、南北450メートルの広い地域を占めている。主要部は南北320メートル、 最大幅90メートルの水濠の東側にあり、低い土居と堀をめぐらして、北から北曲輪、本丸、二の丸、三の丸(御霊局和)、 竜光寺曲輪が並んでいる。北曲輪と本丸の東に帯曲輪がある。
本丸は東西40メートル、南北30メートルあり、広くて深い水濠で囲まれている。 本丸に接する帯曲輪、北曲輪、二の丸にはそれぞれ土橋で通じている。 西曲輪は本丸の西側の広い水濠をへだててあり、堀をめぐらしている。 その先に外濠があった。城の東側は河川が自然の水濠となっていた。
天正18年(1590)小田原の北条方の城だったので、豊臣秀吉方の軍勢に攻められ、 小田原城落城と同じく、落城し廃城となった。

前橋市文化財保護課

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