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風来亭 フォト日誌

北のヒゲ親爺

ヒゲ親爺

ヒゲ親爺 ヒゲ親爺

ヒゲ親爺に会いに裏山へ。谷の南側の尾根で何度か出会った左耳に穴の開いた親爺と、 一昨年に北側の尾根で遭遇した親爺とが、同じ個体なのかそれとも縄張りを異にする別の個体なのかを 確認したかった。
昨シーズンはカンジキを履かなければ歩けなかった沢筋の林道。今年は雪が少なかったので長靴で十分に歩ける。 雪道に残るツボ足の足跡は昨年よりは少ないものの、幾筋かは沢に掛かる橋を通って南北の尾根に続いている。 もしかしたら同じヒゲ親爺が行ったり来たりしているのかもしれない。
雪の消えた西側斜面の林道に入った途端、右側の藪の中から突然落ち葉を蹴散らすような足音がした。 藪に遮られてよく見えないが、斜面を上っていく黒い影。 ここでこちらも慌てて走り出しては、怯えさせて遁走されるのは必定。 焦る気持ちを抑えて気が付かなかったような振りをして藪が切れる位置まで移動。 そしてゆっくりと見上げると木立の陰からこちらの様子を窺っているヒゲ親爺を発見。距離は約50m。
その場で睨めっこしながら何度もシャッターを切り続けるが動じる様子もない。 時には視線を外して互いに無関心を装ったりするが、カメラを向けると警戒の目線を投げてくる。 だから殆ど同じポーズの写真しか撮らせてもらえない。
意を決して少しづつ近寄って行くことにした。 「ほいほーい、いい子だ、いい子だ」などと唱えながら近づいて、適当なところで止まってシャッターを切る。 左耳に穴が開いているかどうかを確認したくて、少しづつにじり寄った。肉眼では耳の穴は確認できない。 これを何回か繰り返して30m程まで近づいたとき、右手下方で落ち葉を踏み分ける大型獣の足音がした。
やっこさん、そちらの方に顔を向けるとゆっくりと移動を開始した。縄張りを侵されたとでも思ったのだろうか、 明らかに音がした方向に向かって姿を消していった。
帰宅してから写真を確認したところ、左耳に穴は無く、谷の南の個体とは明らかに異なる。やっこさんを北のヒゲ親爺と名付けよう。

2016年2月11日

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