信州から上州に転勤となって半月あまり、漸く家の中が片付いたところで山歩きの虫が再び蠢きはじめた。
引っ越しや転勤のドタバタですっかり鈍ってしまった身体にもそろそろヤキを入れなければならない。
五竜岳、鹿島槍ヶ岳、剣岳など、憧れの山々への登頂を果たせぬままに信州を去ることになってしまったので、
まずはこれらの山への旅を検討したが今回は諦めた。
周辺の山々を物色した結果、リハビリ登山の第一弾は苗場山にした。
日帰りが一般的なコースのようだが、今回は無理をせず新潟県側の和田小屋から山頂小屋泊の一泊二日のピストン。
片道4時間ほどならお気楽コースと軽い気持ちで歩きはじめたが、暑さも手伝って忍耐を強いられる山行となった。
いつ雨が降り始めるのか気掛かりな空模様、そしてスキーリフトが山懐の奥の奥まで続いているのが鬱陶しい。
登山道の傍らで弱り果てて蹲っている小動物を見た。ヤマネか?
神楽ヶ峰までは樹林帯の中の緩やかな登り道が続くが、神楽ヶ峰から鞍部まで降りてからの登り返しが難行苦行。
鞍部からの登りはシモツケソウやハクサンシャジン、ウツボグサなどが咲き乱れるお花畑になっているのが多少の気休め。
苗場山のハイライトである池塘のある山頂部に着く頃には霧が立ち込めて何も見えなかった。
翌朝は雨。山頂の楽園散歩は早々と諦めて下山開始。