安曇野風来亭 道楽日誌 山歩き日誌 釣り日誌 戦国山城 キノコ図鑑 小平漁協書籍部

小平漁協のフォト日誌

青柳城址(筑北村)

青柳城址から北アルプス

信玄と謙信とはともに名将だったことは認めるとしても、どちらが好きかとなると意見が異なるところ。 好悪のベースになるのは新田次郎の「武田信玄」かそれとも海音寺潮五郎の「天と地と」のどちらに感銘したか、 あるいは大河ドラマの影響によるところが大きいと思う。 甲越両軍の馬蹄に蹂躙された信州ではどちらの人気が高いのか興味のあるところではある。
でもまあ、信州では双方の関係者の末裔が同席することもあったりして、あまり声高に善悪を論ずることもできない。
各地の山城巡りをするうちにそれらを根城にした信濃の武将の多くが信玄と謙信との合戦に深く関わっており、 大勢力の戦いに翻弄されて数奇な運命を辿ったことを知る。
この青柳城主の青柳氏も川中島合戦以後も時代の流れの中で難しい選択を迫られ続けたようだ。 小笠原から武田、上杉、そして再び小笠原氏に従うが、最後にはその主家によって謀殺され滅ぼされてしまう。 戦国の習いとは言え、哀れな話だ。
青柳氏の居館跡の清長寺の裏手の山道を約40分で遺構のある尾根筋に到達。尾根には5つの郭が切られていて、 突端が石積みもある本郭で、標高905mの三等三角点。 本郭からの眺望は「見事!」の一言に尽きる。白馬岳から五竜、鹿島槍、大蓮華、常念岳と、白銀に輝く北アルプスの峰々。
信玄も眺めたこの大展望。悲運の武将はどんな思いで眺めたのだろうか。

青柳城址 青柳城址
2007.1.20

NEXT>>