相変わらずの戦国惚け。山道を歩きながら考える。
光城と塔原城を結ぶ稜線上の中間にある長峰山。ここに取り付けば光城も塔原城も搦手から攻撃できる。
従って犀川河畔から長峰山に向かう尾根筋になんらかの防御施設は必要だったはずだと、想像しながら歩くのも楽しい。
小丸山城跡もその一つだったに違いないし、小丸山と尾敷沢を挟んだ石尊社の尾根筋にも遺構と思われる地形が見られる。
長峰荘から小倉沢沿いに登るコースにもそれらしい地形が残る。
尾根や斜面に深く刻まれた堀底のような道を、地元では木材や薪炭を運び降ろした道で「あらし」と呼んでいるが、
竪堀や堀底道として防御施設として十分機能するような構造になっているし、武者溜まりを思わせるような削平地や土橋もある。
林道に合流する直前に一体の馬頭観音の石像がある。御近所の農家の方が「昔は長峰山には馬でよく登ったものだ」とお聞きしたことがある。木材を運び降ろすために使役した馬がここで斃れたのだろう。
「あらし」は「堀底道」ではなく、馬に曳かせた木材が地面を削ってできただけなのかもしれない。
などなどと、戦国惚けから立ち直るとすぐに長峰山頂。路傍のホタルカズラが美しい。