武田信玄の今川の駿河侵攻によって北条氏康との甲相同盟が解消され、
北条方への備えとして築かれたのが根小屋城だ。
北条の影響下にある上州の諸将には信用が置けなかったのだろうか、
信州の武将・望月甚八郎や伴野助十郎が守将として入っている。
Wikipediaによれば信玄の五男・仁科信盛も守将だったという記録(上野誌?)もあるとか。
仁科信盛といえば木曽義仲とともに「信濃の国」で謳われる勇将だ。
織田信長の甲斐侵攻に際して一族・重臣の逃亡や寝返りが続く中、
高遠城において徹底抗戦して華々しい最期を遂げる。
ゴールデンウイーク最終日の根小屋城址は、そんな戦国時代の物語を忘れさせるかのように、
鮮やかな新緑の中で躑躅の花が穏やかに燃えていた。
2010年5月5日