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風来亭 フォト日誌

鎮魂の荒船山

2009年10月11日
追悼登山

クレヨンしんちゃんの作者臼井義人氏が遭難死して一躍有名になった荒船山。 登山口の内山峠の駐車場は県外ナンバーの車で満杯、路肩にも溢れ出していた。
氏を悼みに来たのか子連れの登山者がことのほか多い。
なかにはリュックも背負わずドリンクも持たない軽装で登っている家族連れもいたりする。 途中で諦めて引き返してくる何組もの家族と出会った。







臼井氏遭難場所

一杯水からがこのルートでは唯一の急登。登りきった辺りにそこだけ林の切れ目から向かいの山肌が望める場所があった。 傍らに真新しい生花と菓子が供えられている。聞けばここが臼井氏が転落した場所だという。
喘ぎ喘ぎ登り詰めて最初に現れた展望ポイント、氏ならずとも思わず身を乗り出してしまうような場所だ。 恐る恐る下を覗き見る登山客もいるが、高所恐怖症の私は遠慮する。







艫岩展望台から

さらに5分ほどで艫岩の展望台。内山峠に向う国道に架けられた橋がはるか眼下に見える。 岩棚の展望台は崖端に向かって緩やかに傾斜しているので、斜面に立って下を覗き込もうという人はいない。 さきほどの場所から比べると、明らかに危険を感じる場所だからだ。
こちらの崖端から転落したと考えたのだろうか、供えられた花が枯れて散乱している。

神津牧場の向こう側でいつも見慣れた姿と異なる浅間山が穏やかに白煙を上げている。




経塚山への道




賑わう艫岩を後にして荒船山最高点の経塚山(1422m)に向かう。 荒船山を軍艦にたとえるならば甲板に当たる平坦な笹原の道を行く。 経塚山はさだめし艦橋ということになろうか。






てんとう虫



経塚山の頂からの展望は得られないが陽だまりの中で暫し寛ぐ。 艫岩までで良しとしてここまでは足をのばさないのだろうか、人気のない静かな山頂だ。
ふと足元を見ると新調したばかりの登山靴にてんとう虫が止まっていた。





艫岩










斜陽が差し込み始めた笹原を艫岩まで戻ってもう一度断崖絶壁から色づき始めた麓の森を眺めた後 下山を開始した。



艫岩夕景










登山口まで戻ると入山時には気がつかなかった案内看板の脚元に沢山の花束が供えられているのを見た。 現場までは行けないファンが供えたものだろう。

物語山?鹿岳?




下山後に調べたら、転落事故があったのは9月11日で、今日は月命日に当たる日と知った。



合掌


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