先週末は秩父の荒川で多少良い思いをさせてもらったので、この週末も夢よ再び!と念じたものの、
台風に襲われてはもうお手上げ。未練がましく近くの多摩川を覗きに行ってきましたがほとんど泥流メコン河状態。
一週間のお預けです。
最近とみに女性釣り師の姿を見かけることが多くなった。フライには殊に多いようだ。
女性が釣りをしたって何の不思議はないのだが、まだまだ日本では少数派。
女性ファンの獲得と育成は低迷に喘ぐ釣り業界にとっても大きな課題のようで、
あの手この手のプロモーションを展開中のようだ。
もっとも、世界最古の釣り本「釣魚論」を著したのはジュリアナ・バーナーズという15世紀頃の英国女性で
「学識豊かな絶世の美人」だったとか。釣りは男達だけの楽しみでは決してなかった訳だ。
「愛した人とフライフィッシング」 ホリー・モリス 編
東知憲 訳 つり人社 2200円 1997.1.1
本書の原題は「A DIFFERENT ANGLE」。
男達とは異なる釣り、とでもいう意味
だろうか。
16人のアメリカ女性たちが女性ならではの視点から、釣りを、人間を、人生を描いた釣りエッセイ集。
編者であるホリー・モリスも女性フライフィッシャー。
この本を紹介するには彼女の言葉をその
まま借りた方が良さそうだ。
この本は、新しい視点、女性の視点から描かれた作品を収録しており、驚き、ドラマ、再生、
ユーモア、洞察などのテーマについて書かれたもので、一つ一つのストーリーが、新鮮なア
イディアと多くの新しい切り口を提供してくれている。人生においてそうであるように、女
性達はフライフィッシングにおいても、全体論的にアプローチしていく。彼女らの人生を横糸
に、釣りを介した経験を横糸に編み込んでいく。そこには、競争原理が見え隠れする自慢話や、
人を出し抜きたいという気持ちなどの入る余地はない。
何世紀もの間、多くの釣りの話が書かれ、たとえ話が生み出されてきた。この本に収録した作
家達は、フライフィッシングを介した瞑想に男達と共に加わり、自分達も川で共に釣る権利が
あることを主張する。女性たちによって、新しいタイプの釣りのストーリーが作り出されるだ
ろう。彼女たちは壮大で魔術的な文学的伝統に貢献し、あるいはそれを変えていくことが可能
になるだろう。」
彼女自身の意気込みと同性への最大級の賛辞とが滲み出すような前文だが、
それを裏切らない斬新
で読ませるエッセイの数々に魅了された。久々に小平漁協推薦図書としてベストテン入り。
参考までに・世界最古の釣り本-------
「釣魚論」 ジュリアナ・バーナーズ 椎名重明・訳
つり人ノベルズ 950円 1997.9.20
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