各地から渓流解禁の便りが届き始めました。
連休初日に秩父まで出かけましたがどこの渓流もほとんど釣り堀状態。
竿を出すのは諦めて年券を購入しただけで帰ってきました。今年ははたして何回竿を出せるのやら。
で、何故か脈絡もなく海釣り小説をご紹介。
「天使のリール」 喜多嶋隆 中央公論社 1997.12.7 1890円 祖父が遺したクルーザーを駆って釣り船の船長をしている女子大生の物語。
幼くして父と生き別れた潮里は相模湾の一本釣りの漁師である祖父に育てられる。
一徹な祖父ではあったがハワイでカジキ釣りを体験したことから、スポーツフィッシングの釣り船を始めることを計画、
潮里をハワイでの修行に出す。潮里はスポンジが水を吸うようにトロウリングやルアーなどスポーツフィッシングの技術
を身につけていくが、祖父の急死の報で帰国、その3日後祖父が購入したクルーザーが届く。
潮里は祖父の遺志を継いで大学生活の傍ら釣り船の船長として生きて行くことを決意する。
釣り船で出会った様々な釣り人との触れ合い、心の交流を通して成長していく爽やかな青春物語。
父との再会、そして別離のラストシーンが印象的。
かの頑固親父・高橋治氏が
「海と釣りには解決困難な無数の問題がある・・・・難しい釣りの世界をとりあげながら、
清爽な読後感が得られる」と絶賛。
著者の喜多嶋隆氏には、他にも釣りをモチーフにした作品があります。
ネタ切れの折りにでもご紹介しましょう。
「ミッドナイト フィッシング」 光文社文庫 1993.6.20 420円
「ドラゴンフィッシュを釣り上げろ」 光文社文庫 1993.9.20 520円
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