地下鉄が脱線しての大惨事。電車の中でおちおち読書もしていられませんね。
しかし、どうせ満員の通勤電車では我々は貨物も同然、事故に遭遇するなら通勤娯楽の夢うつつのままで良い?・・・・
こんな本だったら満員電車の中での立ち読みもあまり苦にはなりません。
「人喰い海流」 小嵐九八郎 祥伝社 1991.12 480円
琉球諸島の外れにある孤島に東京の美人女子大生が訪れた時から事件は始まった。
磯で大物釣りをしていた主人公の父とリゾート開発業者が人喰い鮫に喰い殺される。
なぜ巨大鮫が突然凶暴になったのか。二人の死に疑問を抱き始めた主人公の少年がが幼なじみの少女とともに謎解きに挑む。
衝撃的な事件、漂流、孤島でのサバイバル生活を通じて、益々強まる年上の女性への密かな憧れと疑念。
冒険推理小説のかたちをとりながら、多感な少年から青年への成長をドラマチックに描いた青春小説。
ラストシーンが衝撃的。
「巨魚伝説」 小嵐九八郎 祥伝社 1987.6.1 440円 ついでに同じ著者の作品をもう一冊。竿師の孫として鳥海山麓の山村でおおらかに育った主人公が
父の死の謎に挑むかたちで物語は進行する。道糸15号、マグロ鈎35号、尺岩魚を生餌に狙う巨魚、
鳥海山の中腹にあるみどり湖にそれは棲むという。なにやらタキタロウを想起させる謎の巨大魚アカノスケ。
巨魚釣りあり、エッチあり、漂流あり、海釣りありの冒険推理小説。
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