このところJR中央線は事故も遅れも無く、それなりに快適な通勤娯楽を楽しんでいたけれど、
24日の一日22000発の落雷でついにダウン。
会社から自宅まで1時間20分のところを5時間もかかってしまいました。
落雷は自然災害だから仕方が無いもののJRの対応の稚拙さにはいつもながら呆れ返ってしまいます。
アナウンスの内容の曖昧さはもとより、そのタイミング、言葉使い、はたまた声の質まで、
利用客を苛立たせることばかり。詳しく説明すると再び頭に血がのぼってくるようなので止めますが、
よくもあれで暴動が起こらないものです。JRには猛省を促したいところ。
それはそれとして途中下車はそれなりの楽しみはあるものです。
時間潰しに飛び込んだ古本屋で釣りの本を発見したりすると、
その瞬間だけは心が晴れます。
初版本コレクターではないけど、こんな本が100円均一コーナーに紛れ込んでいたりするのですから古本屋巡りは止められません。
文庫本で読んだことがあるけど再読して紹介。 これも落雷事故の置き土産です。
「 秘 伝 」 高橋 治 講談社 980円 昭和59年2月10日
長崎県の漁師町、鯛の好漁場で名高い茂木と式見の二つの漁港に、
鯛釣りの名人と呼ばれるたまたま同じく足の不自由な二人の漁師がいた。
ある日、茂木の漁師のもとに式見の漁師から挑戦状とも招待状ともとれる葉書が届く。
永年にわたって面識もないままに好敵手として互いを意識していた二人が初めて出会う。20号のハリスをぶっちぎっていった巨魚、
名人にも釣れない魚がいることを誰にも知られたくない、滅多な人間に手助けを頼みたくない、
そんな気持ちが一方の名人を呼び寄せたのだ。
その巨魚の名はイシナギ。
150キロを超す大物との秘伝の技を尽くした闘いが始まる。父から伝えられ、
あるいは先輩漁師から盗むようにして、また自ら磨き上げた技を駆使するうちに、
お互いの生い立ちや生き様が鮮明に浮かび上がってくる。
1984年の第90回直木賞受賞作品。
小平漁協推薦図書ベスト10の一冊。講談社から文庫本が発行されている。
併載の「赤い海」は瀬戸内海の赤潮とハマチ養殖をモチーフにした中編。
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