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小平漁協の通勤娯楽

1999.2.15

今回も文庫本ベストテンの作家から紹介しましょう。
 恐い!恐いもの見たさについ読んでしまう作家、と言えば、私にとっては「秘伝」で直木賞作家になった 「高橋治」がそれですね。ちくま文庫の同氏の「つれ釣れなるままに」を読んだ時なんぞ、 それこそ怒髪天をつくほどドタマにきたことを思い出します。その頃はまだ磯釣りに夢中でしたから、 コマセ釣りを外道呼ばわりしてアタマっから否定する著者の唯我独尊的なものの言い方に感情的に反発したからなのですが。 でも、何故か気になっていつのまにか氏の本を手にしてしまいます。

釣竿

「海そだち」 高橋 治 集英社文庫 1994.7.25 

「魚の旅」と「荒廃する海」の二部構成。
直木賞受賞作「秘伝」のモデルとなった実在の漁師や、 その舞台となった九州と著者との因縁の説き明かしや、各地の「名人」と呼ばれる漁師との出会いが興味深い。 著者のキメツケとか気負い?のようなものがまだまだ気にはなるものの、 この本を読んで初めて著者の攻撃的な物言いのスタンスが漸く理解できて一種爽やかささえ感じます。
 渓流釣りを始めた今となっては、比較的涼しい顔して読んでます(^^;それどころか、 「うんうん」と何故かうなずいているからゲンキンなもの。同じ釣りでも立場が変わると考え方まで変わってしまうんですね。
 シンプルisベスト!ワタシャまだまだ迷いが多すぎる!

 同著者の釣り関係の文庫本は他にも多い。
 
「秘 伝」 講談社文庫1987.2.15
「つれ釣れなるままに」 ちくま文庫1989.6.27
「さすらい波太郎」房州沖純情 講談社文庫1991.6.15
「さすらい波太郎」相模湾慕情 講談社文庫1991.7.15
「さすらい波太郎」再開遠州灘 講談社文庫1991.8.15
「男波 女波」上/下巻 講談社文庫1998.7.15

とりわけ「秘 伝」と「つれ釣れなるままに」は、センヅリ派必読!(^^)「男波 女波」へと続く 「波太郎」シリーズは肩の凝らない娯楽小説。主人公の波太郎に代弁させる毒舌がBGMのような心地で響く。

「高橋 治」についてはこちらへ

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