世の中相変わらず不景気の風が吹き荒れています。
ご他聞に漏れず私の周辺にもそろそろリストラの嵐が迫っているようで、
モロ団塊の世代のまっただ中にいる私としては、釣りだキノコだ何だらかんだと
野遊びにふけっている場合ではなさそうですが‥‥これを止めたら精神の安定を欠いてしまいそうです。
そう言えば最近、通勤電車の人身事故が増えてます。「只今救出中です」などと、
事故発生から30分もたってから空々しい社内アナウンスがあったりすると、怒る気力も失せてしまいます。
先日も電車がストップしたので、途中下車して飲んだくれてしまいました。 せめて釣りのイメージトレーニングと通勤娯楽でウサを晴らしましょう。
今回は文庫本から選んだ釣り本のベスト10をご紹介しましょう。 一人一冊ということで「えい!やっ!」と選んでみました。
1 「つりかげ」 | 山 本 素 石 | PHP文庫 |
2 「私の釣魚大全」 | 開 高 健 | 文春文庫 |
3 「ムツゴロウの大漁記」 | 畑 正 憲 | 文春文庫 |
4 「わだつみの魚の詩」 | 田 中 光 二 | ケイブンシャ文庫 |
5 「釣りキチ旅日記」 | 矢 口 高 雄 | 講談社文庫 |
6 「イワナの夏」 | 湯 川 豊 | ちくま文庫 |
7 「秘 伝」 | 高 橋 治 | 講談社文庫 |
8 「鮎 師」 | 夢 枕 獏 | 講談社文庫 |
9 「浪人釣り師今昔」 | 太 田 蘭 三 | 角川文庫 |
10 「食いしん坊釣り日記」 | 盛 川 宏 | 福武文庫 |
いづれ時間をみつけては一冊づつ丹念に読み返して紹介してみたいと思っています。
お薦めベスト10の本のなかでも不動の地位をしめているのが、山本素石著の「つりかげ」。
時々手にしては拾い読みしている。
「海釣り」から始まった私の釣りは、
クロダイ狙い一辺倒の悲壮感?漂うこだわりの釣りから、肩肘張らずに自然を楽しむ「渓流釣り」へと変わってきた。
そんな折りに出会ったのがこの本。私小説ともエッセイともつかぬこの一冊が私の釣りのコンセプトを大きく変えた。
いや、釣りにコン
セプトそのものが無用だということを教えられたと言った方が正確だ。
心が赴くままに竿を片手に山河を彷徨う、男の憧憬とでも言うのだろうか、そんな世界がこの中にある。
今は「鮎の友釣り」へと傾斜しつつある。そしてその先に「フライフィッシング」の誘惑の影がちらつき始めている。
その一方で、きのこ狩りから始まった野遊びは山歩きへと関心が広がってきた。いずれは釣りから離れてしまうかもしれない。
ただの浮気症、いや道楽者と言えばそれまでだ
が、そんな気持ちの移ろいそのものを楽しめるようになったのもこの本の影響か。
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