新年 おめでとうございます。
海釣りから始まった私の道楽も、川を遡り、渓流を経ていつしか源流を登り詰め、
ここ数年来は釣竿をストックに持ち替えて山歩きにハマッております。
興趣の赴くままにこれから何処に流れていくか、自分にも判りませんが、そんな自分の
心持ちを楽しむゆとりを持ちたいものです。
本年もおつき合いの程よろしくお願い申し上げます。
年末に訪れた書店の釣り本コーナーで見つけた一冊。
帯封のコピーに曰く「オレ会社辞めた。漁師になるんだ。」
「なまこのひとりごと」 佐藤敬太
本の雑誌社
1600円 2001.11.30
田舎暮らしに憧れる都会生活者が増えているそうな。書店にもその類の書籍が何冊も並
んでいるが、そのほとんどは農山村生活への誘いだったり、農業の勧めだったりする。
そんななかで漁師になるというのは意表をつく。
でも、この著者、釣り好きが高じて漁師になったということではなさそう。
「君も漁師にならないか。全国の港が君を待ちわびている。」という、求人雑誌の広告
コピーに惹かれたからと言う。
「海のそばで暮らしてみたい。それが子供の頃からの夢だ
った」とはいうものの、7年間勤めた会社をあっさり辞めて能登半島の漁師を志願する。
荒海の日本海で定置網漁師として暮らした日々を、出会った人々との心温まる触れ合い
を軸に淡々と綴った好著。
ありがちな「漁師入門」「漁村暮らしのすすめ」というもので
はありませんので念のため。
それにしてもコピーの力って偉大?!