安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協の通勤娯楽

釣り本探しのために古書店を見かけると立ち寄ることにしていますが、一番の楽しみがチ ェーン展開している古本屋「BOOK **」。なにせ安い!名著と評される本がたったの百円 で手に入ることもしばしばあります。そんな値段では本にも著者にも失礼だ、出版文化への 冒涜だ!!などと、自分では救済のつもり(^−^)でついつい同じ本を買ってしまいます。 その結果、同じ本が何冊も書棚に並び、それこそ古本屋じみてまいります。 この本も2冊目。最初は600円、二冊目は100円でした。

「九頭竜川」 大島昌宏

新人物往来社  1800円 1991.8.1

終戦前後に三度の災難に見舞われた福井市。 一度は空襲で、二度目は大地震で、三度目は暴れ川九頭竜の大洪水。そんな中で両親を失い職漁師である祖父に育てられたのが主人公の 愛子。高校を卒業したものの両親がいないために就職できずに職漁師を目指す。 祖父は九頭竜川では漁師仲間から一目も二目もおかれる練達の鮎釣師。 そんな祖父から鮎釣りのイロハから泳ぎ釣り・ カッパ掛けといった九頭竜川独特の釣法まで厳しく仕込まれる愛子。はじめ の頃こそ女であるというだけで他の漁師から白眼視された愛子だが、 そのひたむきな熱意と頑張りによって次第に受け容れられ始める。
壊滅的な災害から不死鳥のように立ち直った福井の街を背景に、 若い女鮎師の成長と彼女を取り巻く人々の優しさをを温かく描いた佳品。 九頭竜川の瀬音が時に激しく時に穏やかに響き続けている。
1992年度の「新田次郎文学賞」受賞作品。鮎の友釣り入門書としても秀逸。 小平漁協の推薦図書に決定!
 

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