今世紀も、いや今年も残り僅かですね。
今年こそ真面目な釣り師に立ち帰って釣道?を極めん!との年初の決意もどこへやら、
結局は山登りにハマってしまった一年でした。
この通勤娯楽を発行し続けていることだけで辛うじて釣り師の端くれに加えさせてもらっています。
明年もおつき合いの程よろしくお願い申し上げます。
なにげなく「釣り師」という言葉を使ってしまったがこれに抵抗を感じる釣り人は多いようだ。
とくにフライやルアーをやる若い釣り人からはそれこそ性悪な前世
紀の遺物かなにかのように毛嫌いされているフシさえある。
それでは、「川漁師」とか「職漁師」はどうか?
「仁淀川漁師秘伝・弥太さん自慢ばなし」
語り:宮崎弥太郎 聞き書き:かくまつとむ
小学館1300円 2001.1.1四国では吉野川、
四万十川に次いで長い流程の仁淀川。清流で名高い四万十川に
勝るとも劣らないきれいな水質を誇っている。この清流で漁を続けている数少ない
現役の川漁師の一人・宮崎弥太郎氏の漁の秘伝の語りをフリーライターかくまつと
む氏が引き出してまとめている。アウトドア雑誌BE−PALに2年間にわたり連
載されたシリーズの単行本化。
ウナギのヒゴ釣り、アユの火振り漁、ツガニのカゴ漁、手長エビ、ナマズの筒ヅケ、
ゴリのガラ曳き、オコゼのズズグリ等々、伝統的な漁法にとどまることなく自
然や生き物の絶え間なき観察によって氏ならではの新しい工夫や技を加えて秘伝にまで高めている。
曰く「三途の川に行っても、ひとりだけごっそり魚を取る気じゃ、と陰口を叩かれるのもかなわんので、あえて公開した」とか。
公開された秘伝を受け継ぎさらに発展させていく川漁師という職業が残るような環境が来世紀も維持できることを望みたい。
因みに「師」とは、広辞苑によれば「専門の技術を職業とする者」「学問・技芸
を教授する人」のこと。とすると「釣り師」を名乗るのはおこがましい(^−^;
ライターの
かくまつとむ氏の釣り本
(小平漁協必読書ですぞ!)
「竿をかついで日本を歩く」 小学館 1400円 1998.5.1