広告業界に身を置いているのにも関わらず、こと釣り本に関してはアンテナを張り巡らして積極的に
情報を入手しようとしない私。書店の店頭や、古書店の片隅でいきなり釣り本に出会う感激を楽しみた
いからです。
こんな態度では新刊本紹介のタイミングを屡々逸することになりますがご容赦を。
待望の新刊。タレント、アウトドアライフの達人として活躍の清水國明氏のエッセイ。
「人の釣り見て、わが釣り直す」清水國明 祥伝社黄金文庫 580円 2000.10.10
表紙は満面の笑みを浮かべて釣り上げたメジナを掲げる著者の写真。
そして帯封には「そして僕は本職の漁師になった。」とある。これは久々の海釣りエッセイ!と早合点。
ところが、第1章こそは九州での磯の巨魚クエ釣りやら漁船を購入して漁協の組合員になったりと、
おお!これぞ本格的海釣り師!と思ったのもつかの間、やがてタスマニアのレインボーやブラウンをフライで狙い、
ルアーでバリ島のGT(ロウニンアジ)を釣り上げ、ラスベガスの砂漠の湖でブラックバ
スを追い求める記述に至って
漸く著者の術策にはまったことに気がつくのだ。バスフィッシングの魅力を際だたせるための仕掛け(^−^;
何のことはない、著者はバス・フィッシャー、いやバスプロだったのだ。「あらゆる釣りをひと通り体験してきて、
なぜか最後に残ったブラックバスにどっぷりハマってしまった。今まで培ってきたいろんな技を結集して、
実力が順位にはっきり出るバストーナメントで、どこまで戦えるものか試したくてバスプロになった。」
要するにバスフィッシング、それもゲームとしての釣りが一番面白いということ。
バスフィッシング
が究極の釣りかどうか異論のあるところだが、
とにもかくにもバスにはまってしまった著者はバスプロとして各地を転戦、他のプロの技を見て自らの釣技を磨くことになる。 情報を収集し、道具を吟味し、技を磨き、様々な条件を分析して魚に相対する熱意には脱帽!これは
これで大いに興味をそそるものがあるが、最後に「ブラックバス擁護論」を展開するに至って、「う〜
ん?」
と首を傾げてしまう私であった。
この際「噂の!東京マガジン」の「噂の現場」で
ブラックバス問題を取り上げてみたらどうか?
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