渓流シーズンも終わりましたね。釣りなら何でも御座れ!という人なら、渓流から湖へ、海へ、あるいは管理釣り場へと、
竿を持ち替えて楽しめもしましょうが、そこはそれ、頑固なこだわりの中に釣り
の美学を求める釣り師も多いようで、
オフこそその美学に磨きをかける絶好の期間と言えなくもないようです。
「本書を読めば、大漁間違いなし! ドヘンコ釣り師の泣き笑い人生。懐かしい旅の想い出とと
もに釣りの楽しさをあなたに贈る。」
「ドヘンコ釣り師のぼやき 曇り時々雨」 大西甘鯛
文芸社 1300円 2000.3.1
まさかこんなコピーに惹かれて本書を手にした訳ではないが、
「ドヘンコ釣り師」という言葉には興
味を覚えた。ドヘンコってどんな魚なのか?と。
「性格が片寄りねじけている者を偏屈者といいますが、
大阪では他人の言葉に耳を貸さない頑固者の事を指す場合にも用いられ、
更にどうしようもない程の頑固者をドヘンコと呼びます。」
しかしまあ、読み進んでも「ドヘンコ釣り師」の面目躍如というようなことは全くなくて、
1月から12月までの四季折々の釣り、それも渓流から海釣りまで様々な釣りの想い出を、
仕掛けや釣り方のポ
イントを交えて淡々と綴ったエッセイ集。強いて言えば、
エッセイに無用と思われる釣り方や仕掛けの
解説をわざわざ加えているところが「ドヘンコ」の「ドヘンコ」たる所以か?
<番外編> 「ニッポン百名山 よじ登り」クレイグ・マクラクラン
中高年齢層による登山ブームで加熱する百名山人気。かく言う私も確かにその片割れに間違いなく、
釣りをそっちのけにして今年に入ってからだけでも百名山のうち6つの山に登った。
その百名山を78
日間で全て登り詰めたというニュージーランド人による駆け足登山日記。
しかしまあ、どこにでもいる善良かつ融通のきかない日本人を「ボブ」とひとくくりに綽名して、
彼
らの制止を振り切って深夜悪天候ものともせずに山頂を目指したり、日本人の外人コンプレックスを利
用して、
侵入禁止の林道や高速道の緊急レーンを爆走して制覇した百名山、さぞや痛快 ? だったことだろう。
だが、そんな登り方してどこが楽しいのかねえ?
もっとも、目指せ!百名山ってんで夢中になってるのも大同小異か?ハンセー!