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小平漁協のフォト日誌

初めての鮎釣り<万場町神流川>

         

 「左手を良く冷やしてから鮎を握って、ハナカンを鼻に通して・・・・」
 「あっ、水に浸けたままで」
 初めての鮎釣り体験はGOLD(群馬OLD)の主催者の桜さんの指導で始まった。 強く握りすぎたためか弱々しく流れに泳ぎだすおとり鮎。雨のため多少の濁りが入っているものの流れは意外と浅いようだ。 ポイントが何処にあるやら、それをポイントと呼ぶべきか皆目見当もつかない。
  「アタリはガツンッ!と来るからスグ判るよ」
 「アワセちゃダメだかんね」 神流川
鮎が口を開けて待っているわけでもないのにいつのまにか渦流線にオトリを誘導、 微細なアタリ?についついアワセをくれてしまうドジな私。度重なる乱暴な仕打ちにオトリは半殺し状態、 グッタリとただ流れるだけ。
 「元気なオトリに替えたほうがいいよ」
そうそう、 モノの本には確かそう書いてあった。で、活きのいいヤツに替えて流れに戻してやるとスグにアタリ。 ガツンというよりグン!と竿を持っていくアタリ。 竿を矯めてユックリと引き寄せ手網にキャッチ。ヤッタ、初釣果!独り万歳!思わず周囲を見回す。 「ヤッタネ!」と声がかかる。大満足、大感激。 神流川

  一尾掛けた後はもう夢中。
オトリを自在に操るためにはどうすべきか、 あ〜でもない、こうでもないと、イメージだけは膨れるが思うように動いてはくれず、 長竿扱いは試行錯誤の連続。オトリが攻撃を受けて右往左往するのを竿に感じるが、なかなか掛かってくれない。 やがて遁走を開始して岩陰に隠れて一息つくオトリ。
「エ〜イ、もっとツッパレよ〜」
それでもポツポツと鉤掛かりしてくれて、鼻カン通しも多少は慣れて、 抜き上げてのダイレクトキャッチも試みたりして、遠くから見ればケッコウ決まってきたかなあ、 などと独りでご満悦。他のメンバーも川原のあちこちに散って竿を振っている。
  年季の入った桜さん、昔とったなんとやらのじんたろさん、次々と鮎を抜き上げる姿はさすがに様になっている。 ぶんたさんのグループも格闘中。
「やったあ!ん?ハヤだあ」
広がる笑い声、賑やかな万場の川原です。 初体験の鮎の友釣りの釣果は7尾。 神流川

  夜は川原にタープを張ってランタンの灯りの下で大宴会。 昼の残りの八宝菜、豚の角煮、そーめん、枝豆、じゃがいも、ヤキソバ、 そしてもちろん鮎の塩焼き食い放題。酒は坂本さん差し入れの〆張鶴。
  「鼻カン付けられたオトリだって身分を忘れて、ナワバリもとうとするヤツも中にはいるんだ。 いまさらナワバリ持ったってね、しまいにゃ自分も食べられちゃうんだから」
 「身の程わきまえてない可哀相なヤツ」
 「どこかのサラリーマンみたいなやつ」
 「うちにもいるなあ」
そんなこんなで、よく食べ、飲み、語り、PC-VANのフィッシングネットワークのGOLDの夜は更けて行くのです。  
  一生やることはないだろうと何故か思い込んでいた鮎の友釣り、帰宅後早速釣具屋に走りました。 新しい釣友との出会いがまたまた異なったジャンルの釣りへと私を引きづり込んだのです。

 1994/7/9<群馬県万場町神流川>

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