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小平漁協のフォト日誌

南会津OLM(ネットワークの仲間と)

新緑が萌える南会津の河畔に今年もまたFNの仲間が集った。幹事のフライマン「大」さん、みちのくのブッシュマンK++さん、はるばる京都から長駆大遠征のルアーマン七色さん、千葉からは初参加のじんたろうさん、ノラさん、ゾウさん、群馬からは渓流釣りの大ベテラン電気屋さん、東京からは言わずと知れたFNの親分T.Kさん、そして私および連れの総勢9名。
渓流釣りとはいえ、釣技も釣法も、ましてや思い入れも異なるメンツが、昼間は思い思いの釣り場に散って南会津の岩魚と戯れ、夕刻にはめいめい獲物を引っ提げて河畔のキャンプサイトに集合。 岩魚の骨酒はもちろん、岩魚汁、たらの芽、うどの天ぷら、うどのきんぴらに舌鼓を打つ。心地よい疲れとほろ酔い加減で焚火を囲めば、釣師に似合わぬ?横文字の専門用語が飛び交う異質のカチャー体験。 酒惚けの頭がなんとか理解しようと受け付けるのも最初だけ、やがてそれが子守歌になって瞼も重くなる悦楽の境地、ほとんどもう桃源郷。
翌朝、車窓のカーテンを開けて覗けば、ファイヤーサークルを取り囲んでいた仲間の車はすでにご出勤。このまま惰眠を貪るか出漁するか暫し躊躇の後、身支度を整えて出動。昨夜のうちに入渓宣言をして確保?した◯◯川に向かう。崖崩れで寸断され、橋が押し流されてドン詰まりになった林道、人の気配に慌てふためいて逃げ去った獣たちの乱れた足跡、耳の奥で反響する沢音、流れの底に潜むささやき声のようなざわめき、風が運ぶのか獣の気配、幻聴?目印に神経を集中、小さな落ち込みが連続する私好みの渓相。だが、魚信はない。
何十段目かの落ち込みを登りつめ、やっと岩魚1尾18センチ。何故か突然仏心を起こしてしまい、まだ錆びの残る岩魚をリリース。 
「運の良いヤツ!お前は放してやるけど2匹目はキープだかんね!」
だが、それっきりキープサイズはこなかった。朝の集合時間が近づいて納竿。秘めやかな源流域を何者かに怯えおののきながら遡行する感覚、それが今の私の釣りだと、その時はっきり自覚した。会津の渓をようやく満喫、十二分に堪能。
それぞれの釣り場から戻った仲間たちと簡単な朝食の後、名残りを惜しみつつ三々五々帰途についた。

日時  1995年5月20日(土)21日(日) 
場所  福島県下郷町阿賀川水系
天候  晴れ
仕掛  ルアー、てんから、餌釣り
釣果  岩魚2尾  うど、たらの芽、蕗少々

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