秋を探す山旅、第二弾は多摩川源流の笠取山。かって一度登ったことがある。山麓付近にきのこ狩りに訪れたことも。今回もあわよくばキノコにお目に掛かりたい、できれば富士山も眺めたい。
でも、雲行きは怪しくカラマツ林の中は思いの外暗く、これといったキノコは見あたらない。二時間ほどでシャクナゲが密生する山頂に到達。5年ほど前に登った際には3時間もかかっていたから、ずいぶんと力がついたものだ。とは言ってもこれが標準のコースタイム。
山頂に到達する頃にはいつのまにか空は晴れ渡り富士山も姿を現した。山頂にいた先客にシャッター押しを頼まれたので山頂標識とともに撮影してあげる。すると、もうひとつ山頂があると教えてくれた。西隣のやや低いピークにそれがあるという。そちらの方が展望が良いとも。
確かに標識はもう一つあった。山頂とは明示していないが「笠取山・山梨百名山・山梨県」とある。先ほどのは「笠取山1953m・環境庁・埼玉県」とあって、標高もしっかりと表示されていた。作場平橋の登山口から登るとこちらが山頂だと思って、本当の山頂に到達しないまま下山してしまう人も多そうだ。事実、こちらの山頂は10数人の登山客で賑わっていた。作場平橋からのコースが正しい?表ルートなのか?
山梨県側の山頂からの展望は雄大だった。広域地図を持ち合わせなかったので同定はできなかったが、富士山はもちろん大菩薩嶺、御坂山塊、南アルプス、乾徳山、雁坂嶺などを展望。満ち足りた時間を楽しんだ。
山頂からは防火帯の急斜面を降り、多摩川源流の水干に立ち寄り多摩川の最初の一滴をカメラに納めて帰途に着いた。中島川橋からのアプローチと作場平橋からのそれとでは随分と趣の異なる風貌を見せてくれる山だ。
カラマツ林の中の山道で夕餉の足しにとハナイグチを少々収穫。秋は確実にやってきていた。