登山口の八方台に着いたのは午前1時半。駐車場には登山客とおぼしき車が2台、ひっそりと静まりかえっている。しかし翌朝、眼を覚まして驚いた。広い駐車場は軽トラックやら乗用車やらで満員大盛況。山菜狩りと思しき地元の人々が身支度もそこそこに先を争うように森の中に分け入っていく。そんな様子を尻目に、コーヒーを沸かしながら身支度を整えサンドイッチをほおばる。
そう言えば根曲がり竹の季節だ。取り立ての根曲がり竹を焚き火で焼いて皮を剥ぎながら食べる・・・・・おっと、今日は山登り、雑念を払って歩き始める。
登山口から中ノ湯跡までは広く明るいぶな林の中の緩やかな林道を進む。ウグイスの鳴き声が喧しい道を約30分、硫黄の臭いが鼻をついて中ノ湯跡に到着。うち捨てられた温泉宿の廃屋の脇にかっては露天風呂だったのか沸々と沸き立つ白濁した池があった。
ここからが漸く山道。霞に見え隠れする檜原湖を振り返りながらヤシオツツジやヤマザクラが咲き乱れる山道をひたすら高度を稼ぐ。およそ1時間で分岐点。お花畑まで0.2キロ、弘法清水まで0.4キロの分岐点、ひたすら山頂を目指すなら弘法清水経由だが、ここは迷わずお花畑コースを選ぶ。
これが大正解。黄色い花のキジムシロが咲き乱れるお花畑からは、八ヶ岳を思い起こさせる櫛ヶ峰や天狗岩の山容、会津磐梯山の山頂を展望。
おまけに早咲きのイワカガミまで見つけることができた。
お花畑から弘法清水までは指呼の間。弘法清水の冷水で喉を潤してから山頂を目指す。
約30分の急な登り。先ほどまで威勢の良かった子供たちが息を切らしている。
あいにく山頂から見えるはずの猪苗代湖は朧にかすみ、周囲の山々も雲の中。蚊柱ならぬ虻柱がたつ山頂で早めの昼食をとって下山開始。
下山途中で笹藪に潜り込んでしっかりと土産の根曲がり竹を確保してから駐車場に帰着。
その日はFML仲間が集まるo川河畔にちょいと顔を出してご挨拶。
30分ほどフライロッドを振ったものの魚の反応も無く早々と撤退、
ネットで探した格安ペンションにチェックイン。
翌朝再び仲間のキャンプサイトを訪れてしばし歓談。
地元の大さんのアドバイスでロッドを振ったものの、腕が悪いのかはたまたプレッシャーがきついのか、
ストックをロッドに替えたり、ロッドをストックに替えたりの浮気性に魚があきれ果てたか、今回もマルボ。
山に登って山菜を採って、おまけに釣りまでやってという欲張りな遊び心に我ながら呆れてはいるのだが、
どうやらこの貧乏性、よほど酷いめか良いめに遭わぬと直らぬようだ。