土曜日に休めるのは久しぶりなので、晴れたら山歩きと決めてはいたものの、寝床から抜け出すのに手間取って自宅を出発したのは10時過ぎ。こんな時間ではもはや山頂に立つことは望めぬものの、せめて富士山を眺められる場所でコーヒーを沸かそうと、中央高速道を河口湖方面に車を走らせる。
目指すは御坂黒岳1793m。富士山が雲や霞に隠れないうちにその秀麗な姿をできる限り大きく眺望したいものと、木々の間に見え隠れする富士山を振り返りながら峠に急ぐ。昔は馬でも越えたという山道もなまった身体にはきつい。登山道や斜面のそこかしこが掘り返されてぬた場になっている。南斜面の日だまりは山に棲む獣にとっても居心地の良い場所なのだろう、シカかそれともイノシシか、かなりの群が棲息しているようだ。
峠までのつづら折りの道を登り詰めると御坂峠。山小屋の裏手から続く山頂への道はこれまでとガラリと変わって冬模様。踏み固められた細い雪道が尾根筋の暗い林の中に続いている。ここから御坂黒岳までは約60分の道のりだが、既に時計は2時半を回っているのでここで断念。小屋の前の日だまりの中で暫し休憩の後、富士の夕景色を別の場所から眺めようと早々と下山。
しかし、登頂できなかったというのはやはり心残り。河口湖畔から御坂黒岳の頂を眺めながら再挑戦を誓う。