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小平漁協のフォト日誌

両 神 山(日本百名山1723m)

両神山

 ゴールデンウイークの後半は山歩きと決めてはいたが、先日の釣行帰りに榛名山から眺めた2000メートル級の山々は未だ残雪に白く輝いていて冬山状態。あれこれと目的地を検討した結果が奥秩父の両神山。2000メートルには満たないものの百名山のひとつ、登り約3時間というのも手ごろ。
 前日のうちにいつもの渓流にわけ入って天然山葵を調達した後、両神山麓にあるオートキャンプ場に入ってそれを処理。 休暇前に飲み屋で出された茎山葵のあまりのあじけなさにホンモノを食わせてやると一緒に飲んだ連中に約束してしまったのだ。キャンパーが物珍しげに何という野菜かと尋ねてくる。家族連れのキャンパーで賑わってはいるが静かな落ち着いた雰囲気のキャンプ場だ。キャンプ場の脇を魅力的な渓流が流れているが、今回は女房同伴の山登りが正しい目的なのでじっと我慢。淡いランタンの燈についついウイスキーの盃を重ねる。
昇龍の滝  翌朝午前4時頃、隣のサイトの登山客と思しき家族連れのテント撤収の騒音に眠りを妨げられて起床。 気がつけば車が次々と渓流脇の道を登山口を目指して上流に向かっている。登山口の駐車場が満杯になるのではと気がきではない。前夜のうちに用意しておいた食事もそこそこにキャンプ場を出発。白井差の登山口付近に至るまでの道路はすでに路上駐車でいっぱい。昨日は200台の車で埋まったとか。1台分だけ空いていた農家の庭先の駐車スペースに停めさせてもらう。
ヤシオツツジ  百名山人気とでも言うのだろうか、連休の登山道は中高年の登山客で大賑わい。ペチャラクチャラと騒々しいことこの上ない。 昇龍の滝を過ぎる頃からグループごとに先になったり後になったりと、それぞれのペースでの登りとなる。 一位ガタワからは鎖場もあるさらにキツく苦しい登り。こんな時に聞こえよがしの冗談が聞こえてくるとかえって疲労感が増す。 「色気のある花だア、ヤシオツツジは」「バアさんでも色気を無くしたらおしまいだア」周りの気分を盛り上げようというのか、それとも自分自身を鼓舞しているのか、こんなフレーズを4回も5回もクセのある方言で繰り返し聞かされるといささかムカツいてくることになる。甲武信ヶ岳に登った折にもプロ野球だか競馬中継だかをガンガン鳴らしながら歩いていた団体さんの一員と思しきオヤジがいたが、熊が出るわけでもあるまいし、まったく!うっとおしいことよ、プンプン!などと苛立つのもバテてきた証拠。
両神山頂  そんなこんなで漸くたどりついた山頂。10人も立てば立錐の余地無く大渋滞!頂きの標識で記念写真を撮るにも順番待ち。 祠の脇にはなぜか「秩父錦」の一升瓶がゴロリ。曇天のため眺望が得られないのが残念。
 帰途は喧噪を避けて多少遠回りにはなるがブナ林の梵天尾根を下る。再び登り返して痩せた石尾根の上に立ち、左右に爽やかなピンク色の花を咲かせたヤシオツツジを楽しむ。大峠から白井差まではひたすらの下り、膝をガクガクさせながら漸く車に辿り着く。所用時間約7時間、標準タイムより1時間以上も余計にかかってもうヘトヘト。百名山を登り歩くつもりはさらさら無いが、一応一山追加の充足感が湧いてくるから不思議。
 帰りがけの駄賃に小森川の流れにチョイと竿を出す。数振りでチビイワナが飛び出してきて、今年のゴールデンウイークは納竿。





6時00分 白井差登山口 〜 6時40分 昇龍の滝 〜7時30分 一位ガタワ 〜8時40分 両神山山頂 9時10分 〜 梵天尾根 〜 14時00分 白井差登山口

1999.5.3

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