松本から安曇野にかけては北アルプスの展望台ともいうべき眺望の良い戦国山城が多い。
その中でも屈指のビューポイントといえるのが光城だ。
晩秋にはあちこちで籾殻や落葉を焼く白煙が上がる。
戦国呆けには迫りくる軍勢の足煙や救援を求める狼煙に思えたりする。
戦国時代の将兵がどんな思いでこの景色を眺めていたか知る由もないが、
かなたに見える山城が武田の大軍勢によって次々と落とされ、
ついには近隣の刈谷原城が激戦の末落城するに及んでこの光城も戦うことなく自落している。
尾根続きにある塔ノ原城も同時に自落しているが、いずれも海野一族の城で、
武田勢のなかにあった同じ一族の真田幸隆の調略によったものと考えられている。
光城跡には何度か訪れているが、アルプスの展望についつい眼が向いてしまい、
城跡検分がおろそかになっていたので、思い立ってイメージ図を描いてみた。
上州の松井田城跡で出会った山城研究家の宮坂武男先生には及ぶべくもないが、
通いつめて精度を上げたい。もっとも、絵の稚拙さは如何ともしがたい。