城跡入口から赤城山を望む
かねて念願だった寺尾上城(乗附城)の攻め口を四度目の挑戦で漸く発見することができた。
高崎市街地から碓氷川沿いに県道49号線を達磨寺方向に車を走らせ、
観音山ゴルフ倶楽部への標識がある交差点を左折、坂道を上りつめるとゴルフ練習場を右に大きく曲がるカーブに差し掛かる。
見落としてしまいそうだがカーブが広がった所に左に曲がるやや細い道がある。
左角にドライフラワーショップ「夢はこび」がある道を進む。右手は深い谷になっている。
城跡入口の水道施設への階段
左側に高崎市街地を眺めながら進むと右手の畑の斜面上にコンクリート製の箱形の建造物が3基見えてくる。
高崎市の乗附水道施設だ。
ここをミスしても行き過ぎるとすぐに壊れた看板が見えてくる。
比較的大きな建物があって、かっての「和風レストラン静香だろう。
東宮殿下お手植の碑
この付近に車を置いて水道施設への階段を上り、「東宮殿下お手植の松」と刻まれた石碑が暗がりの中にひっそりと建っている。
明治32年とあるから、大正天皇が皇太子だった頃の「お手植えの松」だ。
ただし松ははとっくの昔に枯れたのか跡かたもない。
難攻不落の藪郭
微かな踏み跡を頼りに進むと荒れた林道となる。
水道施設建設の為だけに取り付けられ、その後廃道となったのかもしれない。
右手下には車を走らせてきた道が見え、
左手の尾根は笹や藪草で入る隙間もなくこんもりと繁っていて難攻不落の郭に見えなくもない。
道は多少は藪草などを刈っているようだが、
通行を妨害するかのように真ん中に積み上げたりしていているので、何のために刈っているのか意図不明。
霊域の石碑群
この林道を通り抜けると、さきほど車で通ってきた道路に合流する。
合流地点の見晴らしの良い場所が不動明王や黒髪山大神など神霊を刻んだ石碑が林立する霊域になっている。
この付近も往時は城域だったのだろうか。
この地点から城域に入ってもよさそうだが、林道出口はロープで立ち入りを拒んでいる。
このあたり全域が城域だと思われるが、明確な城址の痕跡を探したくてもと来た道を引き返す。
本郭下郭
笹やぶを透かして尾根筋を見上げながら戻ると漸く郭の塁壁らしき地形を発見、意を決して笹を掻き分けて突入。
城址を示す標識も何もなく、灌木に邪魔されて写真にもならないが、尾根筋の最高所と思われるので本郭と推定。
とりあえずこれで寺尾五城全てを攻略できたことにして満足。
ネットで検索すると他にも攻め口はあるということだが、「お勧めできない」ともあり、
この道筋が最も安直な攻め口だと思う。